津高村

津高村の概要

津高村（つだかそん）は、岡山県御津郡に位置していた自治体であり、現在の岡山市北区津高地域北部に相当します。この地域は栢谷、菅野、吉宗、高野、富吉、三和、日応寺、田原といった地名が含まれています。村の名前はかつて津高郡にあったことに由来しています。

地域の経済は、特に果樹の栽培に力を入れており、温室ブドウの生産は品質、量ともに全国的に優れたものでした。このため、津高村は農業において高い評価を得ていました。

合併の背景

津高村の合併の歴史は複雑で、多くの村がその存続を巡って協議を重ねていました。1953年10月、岡山地方事務所長からの提案によって、野谷村、馬屋上村、横井村が合併に関する話し合いをスタートさせましたが、横井村の態度が曖昧であり、その後岡山市への編入が検討されるようになりました。

その後も合併の話し合いは続いていましたが、横井村内部で編入に対する反対運動が起こり、結果的に合併計画は見送られることになりました。さらに1954年8月31日には岡山地方事務所長が将来的な岡山市編入を念頭に置いた合併案を提示しますが、結局野谷村と馬屋上村は合併には同意したものの、横井村の意向が反映されずに平行線を辿りました。

1955年1月27日の協議会において再び合併について話し合われましたが、横井村の住民の多くが岡山市への編入を望んでいたため、合意には至りませんでした。これにより、野谷村と馬屋上村は横井村が将来的に合併に参加することを期待しつつ先に合併を実現し、津高村が成立する運びとなりました。

その後、横井村は岡山市への単独編入の可能性が薄れると、再度津高村との合併について交渉し、平等な立場で合併することが決まりました。これにより津高町が誕生し、津高村はわずか4年の短命に終わりました。

沿革

津高村の設立は1955年3月31日で、その際に野谷村と馬屋上村が合併し、新たな自治体として誕生しました。合併時には村内に存在した8つの大字が引き継がれ、役場は栢谷に位置する旧野谷村役場が用いられました。

その後、1959年2月1日に横井村との合併を経て、津高町が成立し、津高村は正式に廃止されることになりました。

行政・教育・交通

津高村の行政は村長により運営され、教育機関としては津高村と横井村の学校組合が設立した野谷小学校が存在し、現在は岡山市立野谷小学校として継承されています。また、馬屋上小学校も岡山市立馬屋上小学校として地域の教育を支えています。中学校には香和中学校があり、こちらも岡山市立の学校となっています。

交通面では、かつての旧作州街道が1887年に改良され、県道として整備された後、1921年には国道に編入されました。現在は岡山市道伊島町二丁目吉宗線として利用されています。

まとめ

津高村は短い歴史ながらも、地域の農業発展において重要な役割を果たしました。合併により新たな自治体となった津高町へと移行した後も、その地域の歴史は続いています。津高村の存在は岡山県の自治体の一部として今なお記憶されています。

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