洲本港

洲本港について

洲本港（すもとこう）は兵庫県洲本市海岸通一丁目に所在する地域の港であり、兵庫県が管理しています。かつては淡路島における交通の要所として、主要な船便が発着し、本州や四国との重要な接点となっていました。しかし、近年は神戸淡路鳴門自動車道の整備に伴い、陸上交通が発達した結果、旅客と貨物の輸送は自動車にシフトしていき、2018年には関西国際空港への航路も運休してしまいました（2024年8月現在）。

現在、洲本港では2017年から始まった社会実験に基づく「深日洲本ライナー」という期間限定の航路が運行されており、深日港への定期的な航行が行われています。詳細な情報は深日港の「船旅活性化モデル地区認定による試験運航」を参照ください。隣接する洲本ポートターミナルビルには、昔は高速バスターミナルとして機能していましたが、現在は淡路島テレビジョンなどの施設が入っており、競艇場の外部発売所も併設されています。

歴史的背景

歴史的には、洲本港は当初は洲本川の河口と直結していました。このため、大雨の際には市街地で洪水が発生することや、砂が堆積することにより大型船が停泊しにくくなるといった問題がありました。明治時代に入ると、洲本川の改修工事が行われ、港の近代化が進められました。これにより、神戸港や大阪港からの玄関口としての機能を果たすようになり、貨物輸送も盛んになりました。特に淡路紡績（後の鐘紡）の誘致にも成功し、地域経済の発展に寄与しました。

1985年には大鳴門橋が開通し、高速道路網が整備されたことにより、淡路島北部の津名港が埋立地の造成で安全な港として整備されました。このことが影響し、神戸港や大阪港からの船便が津名港にも寄港するようになり、徐々に洲本港の重要性は薄れていくこととなります。明石海峡大橋の開通（1998年）までの間は、旅客船が神戸・大阪間を運航していましたが、明石海峡大橋の開通を契機に、これらの航路は廃止され、残る深日港行きも関西国際空港への航路に変更され、最終的に運航を終えました。特に重要な点は、2007年には淡路開発事業団が洲本パールラインとしての運航を試みましたが、主に貨物輸送が減少した影響で運航を休止しています。

現在の状況と周辺情報

最近の動向としては、2016年には沼島行きの定期航路が運休し、すべての定期旅客船が姿を消しました。しかし、2017年には淡路関空ラインが関西国際空港行きの便を再開し、2007年以来の復活として注目を浴びましたが、これも2018年に運航が休止されました。現在の港では、深日港行きという急場しのぎの運航が行われており、続々と新たな航路の設置が期待されています。

港の周辺には、徒歩1分の距離に大浜海岸や淡路医療センターがあり、また洲本市民広場、洲本健康福祉館といった観光・公共施設が点在しています。これにより、洲本港はただの交通の拠点だけでなく、地域社会における交流の場としても機能しています。

もう一度検索