活動火山対策特別措置法

活動火山対策特別措置法（活火山法）は、火山噴火による被害から国民の生命と財産を守ることを目的とした日本の法律です。昭和47年の桜島南岳噴火を契機に制定され、火山現象による著しい被害を受ける地域に対する対策を規定しています。

法律の概要

活火山法は、火山の爆発などの火山現象によって甚大な被害を受ける地域に対し、以下の対策を講じることを定めています。

避難施設などの緊急整備
火山灰の除去
火山現象の研究観測体制の整備

内閣総理大臣は、火山現象により著しい被害を受ける、または受ける恐れのある地域において、活動火山対策の基本指針を定めます。また、火山噴火による人的災害を防止するため、警戒避難体制を特に整備すべき地域を火山災害警戒地域に指定します。火山災害警戒地域には、都道府県および市町村に火山防災協議会を設置することが義務付けられています。

法改正の経緯

活火山法は、社会情勢や火山噴火の状況に合わせて改正が行われています。

2015年改正: 2014年の御嶽山噴火を受け、登山者に対し、噴火時の円滑な避難のための必要な手段を講じる努力義務が規定されました。また、火山周辺の一部の施設には、避難確保計画の作成などが義務付けられました。
2023年改正: 火山の観測や調査、研究を一元的に進めるため、国に火山調査研究推進本部が設置されました。また、国民の火山防災への関心と理解を深めるため、8月26日が火山防災の日と定められました。

火山災害警戒地域

活火山法に基づき、内閣総理大臣が火山災害警戒地域を指定しています。現在、49の火山が火山災害警戒地域に指定されており、各火山ごとに都道府県・市町村が対策を講じています。

その他

活火山法は、火山噴火から国民を守るための重要な法律です。火山防災への理解を深め、適切な対策を講じることが大切です。

参考文献
石原和弘、2013、「火山噴火予知と噴火災害の軽減」、『砂防学会誌』65巻6号、砂防学会
伊藤順一、2015、「火山災害の特徴と我が国における火山防災体制」、『安全工学』54巻5号、安全工学会
井口正人、石川芳治、2016、「火山災害にどう備えるか」、『学術の動向』21巻11号、日本学術協力財団

関連項目

活火山
克灰袋

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