克灰袋

克灰袋（こくはいぶくろ）

克灰袋とは、活火山である桜島の噴火によって発生する火山灰を回収するために、鹿児島県鹿児島市が各家庭に配布している専用のゴミ袋です。桜島周辺の地域では、同様の袋が異なる名称で配布されており、例えば垂水市では「降灰袋」、霧島市では「集灰袋」として利用されています。

歴史

鹿児島市では、1985年（昭和60年）に「降灰袋」として導入されました。その後、1991年（平成3年）に「克灰袋」という名称に変更されました。この名称には、「降灰に強い快適な都市を目指し、積極的に降灰を克服しよう」という強い意志が込められています。

配布と回収

克灰袋の配布は、活動火山対策特別措置法に基づき、火山爆発に伴う大量の降灰が発生した場合に実施される降灰除去事業の一環です。市町村長が指定した場所に降灰を集積するために、各家庭に配布されています。

配布開始

袋の配布は1985年（昭和60年）から開始され、当初は「降灰袋」という名称でした。「降灰袋・鹿児島市章・鹿児島市」と印刷された袋が、町内会を通じて各家庭に配布されていました。1991年（平成3年）からは、「克灰袋」という名称が使用されるようになり、鹿児島市役所本庁や支所、地域福祉館などで無料で配布されています。

配布枚数

2013年（平成25年）には、約370万枚もの克灰袋が配布されました。袋には最大20キログラムの火山灰が入るように設計されていますが、運搬の負担を考慮して、12キログラム程度に抑えることが推奨されています。

回収方法

各家庭で収集された火山灰は克灰袋に入れられ、鹿児島市内の各地（吉田・松元・郡山・谷山地域の一部を除く）に設置された約6,500箇所の「宅地内降灰指定置場」に集積されます。その後、鹿児島市から委託を受けた業者が、これらの指定置場から克灰袋を回収します。回収された克灰袋は埋め立て処分されており、2011年（平成23年）には市街地区で約5,900立方メートル、桜島地区では約1,050立方メートルが処分されました。

派生

近年では、克灰袋をモチーフにしたトートバッグや巾着などのグッズも販売されています。2022年（令和4年）8月1日には、鹿児島市がGMOペパボのオリジナルグッズ販売サイト「SUZURI by GMOペパボ」に公式アカウントを開設し、克灰袋をモチーフにしたTシャツなどの販売を開始しました。これにより、克灰袋は実用的なアイテムとしての役割だけでなく、地域を象徴するデザインとしても注目を集めています。

脚注

注釈

特になし

出典

鹿児島市史Ⅴ

参考文献

南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』 5巻、鹿児島市、2015年3月27日。
http://www.city.kagoshima.lg.jp/kikakuzaisei/kikaku/seisaku-s/shise/shokai/kagoshima-05.html
Wikidata Q111372912

関連項目

活動火山対策特別措置法
ゴミ袋

外部リンク

克灰袋の提供 - 鹿児島市
鹿児島市オープンデータ＞宅地内降灰指定置場データ
『克灰袋』 - コトバンク

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