浜井浩一

浜井 浩一について

浜井浩一（はまいこういち）は、日本の著名な法学者であり、多才な職歴を有する元法務官僚です。彼は1960年5月に生まれ、現在は龍谷大学法務研究科で教授として教鞭をとっています。浜井氏の専門分野は、刑事政策、犯罪学、統計学、さらには犯罪心理学に及ぶ幅広い領域です。

学歴とキャリア

愛知県に生まれ育った浜井氏は、1979年に鳥取県立米子西高等学校を卒業後、早稲田大学教育学部に進学しました。大学では教育心理学を専攻し、その後1984年に卒業して法務省に入省しました。彼は国家公務員採用上級甲種試験（心理職）に合格し、その道を選びました。法務省では、矯正機関や保護観察所などで従事しました。

彼は法務総合研究所の研究官としても活躍し、国連犯罪司法研究所での研究員経験も持ちます。法務総合研究所では犯罪白書の執筆にも関与し、彼の仕事は日本の刑事司法システムにおける重要な文書作成に貢献しました。また、浜井氏は海外での多くの経験を持ち、国際的な犯罪の現状や刑事政策についても精通しています。

研究活動

浜井浩一は、日本の刑事政策や犯罪者の矯正・更生に関する研究と発言が多く、その中で特に「犯罪統計」に注目を集めています。2006年に出版された著書『犯罪統計入門〜犯罪を科学する方法〜』（日本評論社）では、犯罪統計をもとにして海外との比較を行い、一般に信じられている「治安悪化」や「凶悪犯罪の急増」という考えが根拠のないものであると主張しています。この著作は多くの注目を集め、浜井氏の名を広める一因となりました。

また彼の見解は、同じく法社会学の専門家である桐蔭横浜大学の河合幹雄教授の研究とおおむね一致しています。河合教授は著書「安全神話崩壊のパラドックス」において、浜井氏と似た視点から日本の治安に関する議論を展開しています。

メディア活動と趣味

浜井氏は、法学セミナー（日本評論社）において「刑務所の風景」というコラムを隔月で連載し、一般の読者にも法学の興味深い側面を紹介しています。また、ワインの収集を趣味としており、本人はお酒を飲むことはありませんが、その美しさや文化に対する評価を楽しんでいます。

著作

浜井浩一の著作は、多岐にわたります。代表的なものには、以下の書籍があります。

• - 『犯罪統計入門-犯罪を科学する方法-』（日本評論社、2006年）
• - 『刑務所の風景-社会を見つめる刑務所モノグラフ』（日本評論社、2006年）
• - 『犯罪不安社会-誰もが「不審者」?』（光文社、2006年）
• - 『家族内殺人』（洋泉社、2009年）
• - 『2円で刑務所、5億で執行猶予』（光文社、2009年）
• - 『罪を犯した人を排除しないイタリアの挑戦』（現代人文社、2013年）

浜井氏の研究と著作は、犯罪や司法制度に関する深い洞察を持ち、多くの人々にインスピレーションを与えています。彼の業績は日本の法学界において非常に重要な位置を占めています。

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