日本評論社

日本評論社の概要

日本評論社（にほんひょうろんしゃ）は、1918年に創業を始めた日本の出版社であり、略称はnippyoです。主体的に展開される出版物には、『法律時報』や『法学セミナー』、トピックに応じた『経済セミナー』、『数学セミナー』、さらには心の健康をテーマにした『こころの科学』や身体の健康を扱う『からだの科学』が含まれています。

歴史と発展

創業から現在にかけて、日本評論社はさまざまな時代を経てきました。設立当初は文学に焦点を当てた出版が中心でしたが、昭和初期には社会的な問題や社会科学に特化した内容が増加し、より広範な読者に支持を得るようになりました。その背景には、編者や著者の貢献も大きく、特に末弘厳太郎が関与した法律学関係の全集や、河合栄治郎の著作は、同社の成長に寄与しました。

しかし、日本評論社は決して平坦な道のりではありませんでした。1938年から1943年にかけての河合栄治郎事件や、1942年から1945年にかけての横浜事件など、言論の自由が脅かされる出来事にも直面しました。これらの困難に対しても、社は変わらず刊行を続け、たとえば『経済往来』（後に『日本評論』に改題）などは、他の多くの雑誌と並ぶ広範な評価を得ていました。小説の分野でも、著名な作家による作品が発表され、社の発表の場としての役割も果たしていたのです。

現代の出版活動

日本評論社の代表的な雑誌である『法律時報』は1929年に創刊され、現在も発行を続けています。この雑誌は、法律に関する情報だけでなく、経済、社会、政治、心理、教育、福祉、理工学に関する書籍の出版も手掛けており、最近では「夜回り先生」こと水谷修や俳優藤田まことの著作も世に送り出しています。

本社所在地

出版社の本社は東京都豊島区南大塚3丁目に位置し、ここから日本中に情報を発信しています。

代表的な出版物

日本評論社が手掛けた著名な書籍には、以下のようなものがあります：

• - 吉野作造（代表）編『明治文化全集』（全24巻、1928年 - 1930年）
• - 末弘厳太郎編『現代法学全集』（全39巻、1928年 - 1931年）
• - 末弘厳太郎編『新法学全集』（全36巻、1936年 - 1940年）
• - 河合栄治郎編『学生叢書』（全12巻、1936年 - 1941年）
• - 河合栄治郎『学生に与う』（1940年）

また、定期的に発行される雑誌には、『法学セミナー』、新たな視点を提供する『新基本法コンメンタール』、『経済セミナー』、数学関連の『数学セミナー』、身体と心の健康を扱う『からだの科学』、『こころの科学』、さらには『そだちの科学』などがあります。

関連人物と組織

日本評論社には様々な関係者がいます。末弘厳太郎は多くの法律関係書を編集・出版し、河合栄治郎も代表的な著者の一人です。元社員の石堂清倫は独立して社会評論家となり、新たに設立した出版社「新評論」の美作太郎も、同社の周辺から生まれた存在です。森田実も元の出版部長として同社に多大な貢献をしました。

日本評論社は、今なお出版界で重要な役割を果たし続けており、豊かな知識と情報を提供しています。

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