海南東環鉄道

海南東環鉄道は、中華人民共和国海南省を走る高速鉄道路線であり、海南東環高速鉄道とも呼ばれています。海口市と三亜市という二大都市を結び、文昌市、瓊海市、万寧市、陵水リー族自治県といった東海岸の主要都市を経由します。この路線は、中国の高速鉄道網の中で「都市間鉄道」に分類され、地域間の移動を円滑にする役割を担っています。

概要

2007年7月30日、鉄道部、広州鉄路集団公司、海南省発展控股有限公司の共同出資により、海南東環鉄路有限公司が設立されました。同年9月29日に着工し、2010年12月30日に開業しました。総事業費は202.24億元で、これは当時の海南省における最大の交通投資プロジェクトでした（後に海南西環高速鉄道が271億元で更新）。資金は鉄道部と海南省政府が共同で拠出しました。

海南東環鉄道は複線電化であり、電車による旅客輸送を主としています。全長302kmの路線で、設計上の最高速度は250km/hです。ただし、海口駅～海口東駅間はほぼ道路上の高架線を走行し、急カーブも存在するため、最高速度は120km/hに制限されています。開業当初は15の駅が設置され、海口駅、海口東駅、三亜駅が主要な始発着駅となっています。また、海口駅から美蘭駅までは都市交通の一部としても利用されるため、全線で「海南東環軽軌」と呼ばれることもあります。

全区間を最短1時間57分で移動可能であり、これは高速道路利用時よりも約1時間短縮されます。海南東環鉄道は、海南島東海岸で初めて建設された鉄道であり、地域住民の移動を飛躍的に向上させました。さらに、2019年7月1日からは海口駅～美蘭駅間で郊外通勤列車が運行を開始し、都市部の通勤・通学の足としても重要な役割を担っています。

歴史

2007年7月30日 - 海南東環鉄路有限公司が設立。
2007年9月29日 - 着工。
2010年12月30日 - 開業。

使用車両

開業当初はCRH380A型電車1編成とCRH1型電車5編成が使用されていましたが、現在はCRH1A-A型電車に置き換えられています。

駅一覧

背景色が■で、かつ斜体字で表示している駅は現在未開業。*

もう一度検索