海嘯

海嘯（かいしょう）

海嘯、英語では "tidal bore" と呼ばれるこの現象は、河口に流れ込む潮波が河川を逆流し、垂直壁のような形状を形成する現象です。この自然の力強い潮の流れは、潮津波や暴潮湍、潮汐段波など、さまざまな名称でも知られています。

フランスでは "マスカレ（Mascaret）"、中国語では "大逆潮" や "怒潮" などと呼ばれることもあります。日本においても、昭和初期までは地震による津波を指す用語として使われていました。

この現象は、特定の条件下で発生することから、特定の河川や地域において非常に顕著に見られます。特に、河口が広く開けた三角江で見られる傾向があります。代表的な河川には、ブラジルのアマゾン川（ここでは "ポロロッカ" とも称される）、パキスタンのインダス川、インドのフーグリー川、中華人民共和国の銭塘江、さらにはフランスのセーヌ川やイギリスのセヴァーン川などが含まれます。これらの河川では、世界中で約80箇所においてこの現象が確認されています。

銭塘江の海嘯

銭塘江の海嘯、またの名を "銭塘江潮" は、中国語で "钱塘江大潮" とも称され、特に中秋節にあたる時期に発生することが多いことで知られています。これにより、実際の発生は太陰太陽暦の日付で、1日から3日、または15日から18日頃に集中します。特に中秋の名月を祝う8月18日ころの潮は古くから有名で、杭州ではこの時期に月餅を食べながら潮の見物をするという伝統が続いています。

銭塘江の海嘯が発生する理由には、河口がラッパ状に開いており、その先に点在する舟山諸島が潮流を複雑化させていることが挙げられます。また、東シナ海において潮流が台湾海峡から流れ込む際、河口が狭まることで速度が強まることも影響を及ぼしています。

サーフィンと観光

海嘯は、その力強い波の形状からサーフィンの愛好者にとって人気の対象となっていますが、一方で危険が伴うため、発生する都市が積極的に推奨することは少ないのが現状です。観光資源としては主に観覧が奨励されており、観光客はその壮大な自然現象を楽しむことができます。サーフィンは一部黙認の形で行われている場所もあり、特にフランスのガロンヌ川などがその例として挙げられます。

関連項目

• - 感潮河川
• - 小田原大海嘯

このように、海嘯はその迫力と美しさから、地元の人々や観光客に愛されている現象です。海と河川が交錯する自然の力を直接体感できる貴重な体験として、多くの人々が魅了されています。

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