海岸女学校

海岸女学校について

海岸女学校（かいがんじょがっこう）は、1874年に設立され、女子教育の発展に重要な役割を果たした学校です。この学校はアメリカ・メソジスト監督教会婦人外国伝道局から派遣されたドーラ・E・スクーンメーカーのもとに東京に開校しました。この教育機関は、今日の青山学院の源流の一つとなり、その思想は今も引き継がれています。

設立の経緯

海岸女学校は、1874年11月16日に津田仙の協力を得て、麻布新堀町に女子小学校として創立されました。創立時の生徒は津田の息子を含む5名で、少人数の教育が行われました。翌年には、近隣の真言宗の宝生院の一部を借りて「救世学校」と名付けられました。ここでは、仏教寺院とキリスト教学校が同居しており、宗教間の摩擦が見られましたが、それでもいくつかの生徒が洗礼を受けるなど、教育への希望が示されました。

学校の発展

1876年12月には築地居留地に移転し、海岸女学校として正式にスタートしました。新しい校舎では21名の寄宿生と11名の通学生が学び、スクーンメーカーを含む数名の教師による授業が行われました。日曜日には特別に準備された礼拝も実施され、学校の教育活動は地域に根付いていきました。

スクーンメーカーは1879年秋に帰国しましたが、その後に大火に見舞われ、校舎が焼失しました。一時的に原女学校跡に移転するものの、1881年に新校舎が再建され、開校式には東京府知事やアメリカ公使も出席しました。

この学校では、1883年に津田梅子が英語を短期間教えたこともありました。1888年には上級生の28名が青山の東京英和学校の敷地内に移り、以降「東京英和女学校」と改称されました。一方で、下級生は築地に残っていましたが、1894年の明治東京地震で校舎が大破。その結果、海岸女学校は東京英和女学校と合併し、同年末に廃校となりました。

伝統の継承

1895年、東京英和女学校は青山女学院に改称され、これにより海岸女学校の伝統が受け継がれました。その後も青山学院との統合や戦後の学制改革等を経て、海岸女学校の教育理念は青山学院女子短期大学に継承されていくことになります。

歴代校長

海岸女学校では、歴代校長は全てアメリカから派遣された女性宣教師でした。彼女たちのビジョンと献身によって、多くの女子学生が教育の機会を得ることができました。以下は歴代の校長です：

• - ドーラ・E・スクーンメーカー（1874年 - 1879年）
• - オリーブ・ホワイティング（1879年 - 1881年）
• - メアリー・J・ホルブルック（1881年 - 1884年）
• - アンナ・P・アトキンソン（1884年 - 1887年）
• - レベッカ・J・ワトソン（1887年 - 1888年）
• - メレー・E・V・バードウ（1888年 - 1892年）
• - エリザベス・R・ベンダー（1892年 - 1895年）

海岸女学校は、女子教育の草創期において重要な役割を果たし、現在の青山学院の教育機関にその血脈を引き継いでいます。

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