海底大戦争 愛の20000マイル

海底大戦争 愛の20000マイル

「海底大戦争 愛の20000マイル」は、フランスの作家ジュール・ヴェルヌの名作「海底二万哩」を原作にした、1981年放送のSF海洋冒険アニメーションです。この特別番組は、日本テレビ系列で放送され、多くの視聴者に親しまれました。

放送の概要

本作は、1981年1月4日土曜日の午後4時から5時にかけて放映されました。この時間帯には通常放送されている他の番組（『FBIアメリカ連邦警察』の再放送や、『読売新聞ニュース』、『楽しい世界の旅』など）が休止され、特別に本作がオンエアされました。

あらすじ

物語は20XX年、地球がダリウス皇帝率いるガビア帝国に支配されつつある未来の話です。主人公リッキーは、友人のベンとともに神秘的な失われた文明「ムー大陸」を探すため、潜水艦バチスカーフ号に乗り込みます。二人は地中海の港町でガビア軍に襲われ、逃げる途中でバチスカーフ号が魚雷に撃沈されます。

偶然通りがかった原子力潜水艦ノーチラスに救助されたリッキーとベンですが、艦の船長ネモは艦外に出ることを一切許しません。ネモのひとり娘ソフィアも、幼少のころよりノーチラス号に閉じ込められていました。リッキーたちはネモに反感を抱きながらも、彼が目指すムー大陸の探査に興味を持ち、ノーチラス号に留まることになります。

旅を進める中で、リッキーとベンは海底都市を発見。ネモの指示を無視して潜水艦を抜け、未知の世界へと飛び込む決意を固めます。彼らが海底都市で目にするものは、夢にまで見た文明の痕跡であり、同時に新たな冒険の幕開けでもありました。物語が進むにつれ、友情や勇気、そして秘密の数々が明らかになっていきます。

主な登場人物

• - 夢大陸（リッキー）: 声 - 井上純一。日本人の少年で、ムー大陸を求めて冒険に出ます。
• - ベン: 声 - 伊武雅之。リッキーの親友で、共に冒険を繰り広げます。
• - ソフィア: 声 - 北村優子。ネモ船長の娘で、艦艇内での生活を強いられています。
• - ネモ船長: 声 - 黒沢良。ノーチラス号の建造者で、ムー大陸の探索を目指す神秘的なキャラクター。
• - ダリウス皇帝: 声 - 加藤精三。ガビア帝国の皇帝で、世界征服を企てています。

制作について

本作は、株式会社タツノコプロが制作し、九里一平が総監督を務めました。高田明美が初めてメインキャラクターデザインを担当した作品としても知られています。また、音楽は鈴木宏昌が担当し、オープニングテーマ「アトランティス」とエンディングテーマ「月灯かりの中で」が松本隆の作詞・鈴木茂の作曲で制作されています。

ビデオソフト

本作のVHS版およびベータ版は、ビクター音楽産業からリリースされており、視聴者が自宅で楽しむことができるようになっています。

備考

当初は1980年1月に放送が予定されていましたが、内容の大幅な改訂が行われ、1981年まで放送が延期されました。これは、視聴者にとって期待以上の作品を提供するための重要な決断だったと言えるでしょう。

「海底大戦争 愛の20000マイル」は、アニメーション作品としての魅力だけでなく、友情と冒険のメッセージも訴えかける作品であり、多くのファンの心をつかんでやみません。

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