鈴木宏昌

鈴木宏昌：愛称「コルゲン」で親しまれたジャズ界の巨匠

鈴木宏昌（すずき ひろまさ）は、1940年5月26日に東京都で生まれ、2001年5月21日に60歳で亡くなった、ジャズピアニスト、作曲家、編曲家です。

生い立ちとジャズとの出会い

歯科医の息子として生まれた鈴木は、慶應義塾大学経済学部に進学しました。しかし、大学在学中にジャズピアノに強く惹かれ、佐藤允彦、大野雄二と共に「慶應三羽烏」としてその名を馳せました。ニックネームの「コルゲン」は、もともと佐藤のものでしたが、佐藤の渡米後、その後を引き継いだ鈴木が「二代目コルゲン」と呼ばれるようになり、いつしか定着しました。

プロとしてのキャリア

大学在学中から「ジョージ川口とビッグ4+1」に加入し、プロとしての活動をスタートさせた鈴木は、その後、数々の国内有名ミュージシャンと共演しました。日野皓正のコンボに参加し、「ハイノロジー」などでアレンジャーとしての才能を開花させました。

自らリーダーバンド「コルゲン・バンド」を結成し、活動を開始。歌伴の仕事が殺到する中、いくつかのアルバムを発表しました。その後、メンバーチェンジを経て「ザ・プレイヤーズ」として活動を続け、「ギャラクシー」をはじめとする7枚のアルバムを発表しました。ウェザー・リポートの影響を受けつつも、鈴木独自の華麗なセンスが光る作編曲は、フュージョンブームの中でも通好みと評されました。

「ザ・プレイヤーズ」解散後は、並行して活動していた「コルゲン・トリオ」での活動を定期的に行い、佐藤允彦のプロデュースによるソロピアノ作品「ウィズ・マイ・ホール・ハート」を発表するなど、ジャズへの回帰も見せました。

多彩な才能を発揮

鈴木は、ジャズピアニストとしての活動にとどまらず、作曲家、編曲家としてもその才能を遺憾なく発揮しました。大橋巨泉の「こりゃまたみなさん百面相」、秀夕木と杉並児童合唱団の「GO!GO!トリトン」、タモリの「タモリのワーク・ソング」など、幅広いジャンルの楽曲を手がけました。特に、タモリの楽曲では、作編曲の両方でその独特な音楽センスを発揮しています。その他、映画音楽、TV音楽も多く手掛け、アニメ「海のトリトン」や「若草のシャルロット」の音楽も担当しました。

ジャズ界の重鎮たちとの共演

鈴木は、ジョージ川口、渡辺貞夫、日野皓正など、日本のジャズ界を代表する数々のミュージシャンと共演しました。彼らとの交流は、鈴木の音楽性をより豊かなものにしたと言えるでしょう。

晩年

癌との闘病生活を送りながらも、手術後には「生還ライブ」を行い、その力強い音楽への情熱を示しました。しかし、2001年5月21日、60歳という若さでこの世を去りました。

鈴木宏昌は、ジャズ界に偉大な足跡を残しただけでなく、作曲家、編曲家としても幅広いジャンルで活躍し、日本の音楽シーンに多大な影響を与えました。その愛称「コルゲン」とともに、彼の音楽は今もなお多くの人々に愛され続けています。

主な作曲・編曲作品

大橋巨泉「こりゃまたみなさん百面相」（編曲）
秀夕木、杉並児童合唱団「GO!GO!トリトン」（作・編曲）
子門真人「サーキットの狼」（編曲）
石黒ケイ「ひとり暮らし」（編曲）
井上純一「アトランチス」「月灯りの街で」（編曲）
大橋純子「シルエット・ロマンス」（編曲）
タモリ「タモリのワーク・ソング」（編曲）、「イケネコ・ドドネコ 」（作・編曲）、「狂い咲きフライデイ・ナイト」（編曲）、「スタンダード・ウィスキー・ボンボン 」 （編曲）、「クレイジー・ガイ・ライク・ミー 」（作・編曲）、久美ちゃん My Love～ディア・オールド・ストックホルム～」（編曲）
竹中直人「レスラー」（作・編曲）
ジャンボ鶴田の入場テーマ「J」（作曲）
大山のぶ代「昔のことばは生きている」（編曲）
ゆうゆ「ドッテン・チャールストン」（編曲）
田中美奈子「パヤパヤパイン」（作曲）
かおりくみこ「若草のシャルロット」(作曲)
少年隊「My Dear Mrs. Las Vegas」（編曲）
セルフサービス「つまンないガール」（作・編曲）「大きなお世話よほっといて！」（作・編曲）
SMAP「ギョーカイ地獄いちどはおいで」（編曲）

映画音楽

サーキットの狼

TV音楽

今夜は最高!（日本テレビ系列）
なぜか、ドラキュラ
海底大戦争 愛の20000マイル
海のトリトン
若草のシャルロット
笑っていいとも!特大号（フジテレビ系列、オープニング・エンディング曲「ウキウキWatching」の特大号ヴァージョンの編曲を鷺巣詩郎と共に担当）
平成あっぱれテレビ（テーマ音楽担当、日本テレビで1990年から2001年まで元旦に特別番組として放送）
* 週刊フジテレビ批評（テーマ音楽、番組内でのピアノ演奏）

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