海潮寺 (真岡市)

海潮寺は、栃木県真岡市にある曹洞宗の寺院で、1510年（永正7年）に開山されました。この寺は、地域を治めていた芳賀氏の菩提寺として、手厚い保護を受けて発展しました。

海潮寺の山門は、1806年（文化3年）に建てられたもので、その建築において特筆すべき点は、屋根瓦に大谷石を使用していることです。大谷石は、加工しやすい特性を持っており、瓦状に成形することで独特の風合いを醸し出しています。この山門は、地域の文化財として高く評価され、栃木県の指定有形文化財となっています。

境内には、「竹垣君徳政碑」と呼ばれる石碑があります。この石碑は、天領真岡領の代官であった竹垣三右衛門直温の功績を称えるために建てられました。竹垣三右衛門直温は、天明の大飢饉後の疲弊した領地の復興に尽力し、その徳を慕う管轄下の芳賀18か村の村民によって、石碑が建立されました。彼の領民に対する深い慈愛と、復興への貢献は、今日まで語り継がれています。

また、海潮寺には、以下の文化財が所蔵されています。

絹本著色芳賀禅可入道高名像（栃木県指定有形文化財）
海潮寺文書（栃木県指定有形文化財）
海潮寺山門（栃木県指定有形文化財）

これらの文化財は、海潮寺の歴史と文化を物語る貴重な資料であり、寺の宝として大切に保存されています。

海潮寺へのアクセスは、真岡駅から徒歩約8分です。歴史と文化に触れることができる海潮寺は、多くの人々にとって心の安らぎと学びの場となっています。

参考文献

栃木県歴史散歩編集委員会 編『栃木県の歴史散歩（歴史散歩9）』山川出版社、2007年

もう一度検索