海航集団

海航集団は、かつて中国海南省海口市に本社を置く、多角的な事業展開を行う巨大コングロマリットでした。2000年の設立以来、航空、不動産、金融サービス、観光、物流など、幅広い分野で事業を拡大してきました。最盛期には、大新華航空の一部を所有し、ヒルトン・ワールドワイドの25%の株式を保有、さらにはドイツ銀行の筆頭株主として10%の株式を握るなど、国際的な影響力を持つ企業として知られていました。

2017年には、フォーチュン・グローバル500リストで170位にランクインし、収益は533億3500万ドルに達しました。この時期、世界で最も活発な投資会社の1つとして、多くの資産を取得していましたが、同時に急速な負債増加が経営を圧迫し始めていました。2018年12月期以降は赤字に転落し、経営状況は悪化の一途を辿りました。

さらに、2018年7月には、共同創業者であり会長の王健が、南フランスでの観光中に事故死するという悲劇に見舞われました。この出来事は、同社の経営にさらなる混乱をもたらしたとされています。

2019年以降は、香港での大規模デモや新型コロナウイルス感染症の流行が追い打ちとなり、前述の負債問題と相まって業績は急速に悪化。2020年2月には、海南省主導での経営再建が決定しましたが、2021年1月29日には破綻が発表されるという事態になりました。その後、2021年12月8日には、航空事業が遼寧方大集団実業に譲渡され、海航集団は再建に向けて動き出しています。

海航集団の興隆と破綻は、中国経済における急速な成長と、それに伴うリスクを象徴する出来事として、多くの関係者や専門家から注目を集めています。かつては世界的な企業として名を馳せた海航集団が、どのように再建を遂げるのか、今後の動向が注視されています。

関連事項

王岐山

外部リンク

海航集団（中国語）
* 海航集団（英語）

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