海蔵寺 (土浦市)

海蔵寺（かいぞうじ）

海蔵寺は、茨城県土浦市沖宿町に位置する曹洞宗の寺院で、宝珠山という山号を冠しています。この寺は、常陸小田氏の9代目当主である小田治朝が自身の菩提寺として建立したと伝えられています。

由緒

海蔵寺は応永年間（1394年 - 1427年）に創建されました。創建当初は、現在の境内背後にある台地上に位置していましたが、文禄年間（1592年 - 1595年）に現在地へと移転しました。創建時の宗派は明らかになっていません。

移転前の境内跡地は、現在では海蔵寺が管理する墓地となっており、開基である小田治朝の墓所もその中にあります。小田治朝の戒名は「海蔵寺殿義山尊玄大居士」です。

文化財

海蔵寺は、貴重な文化財を所蔵しています。

茨城県指定文化財

大般若波羅密多経：元々は巻物の教本で、601巻存在していました。江戸時代に織本仕立てに改められましたが、その後一部が散逸し、現在は391帖が残っています。奥書には「承安五年」（1175年）の記述があります。元々は沖宿町内の鹿島神社にあり、そこから神宮寺に移されましたが、神宮寺が廃寺となったため、海蔵寺に移されたとされています。
木造 阿弥陀如来坐像：鎌倉時代に制作されたと考えられています。頭部補修前の像高は70.1cmでした。頭部の肉髻（にっけい）が欠けていましたが、近年補修が進み、像高は以前より高くなっています。彫り口は深く、運慶様式の特徴が見られます。

土浦市指定文化財

* 小田治朝の墓所：海蔵寺を開基した小田治朝の墓所です。寺の管理する墓地内に位置しています。

海蔵寺は、小田氏の歴史と文化を今に伝える貴重な寺院であり、文化財を通して地域の歴史を垣間見ることができます。静かな境内で、歴史の重みを感じてみてはいかがでしょうか。

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