海賊王子

海賊王子

『海賊王子』は1966年5月2日から同年11月28日まで、NET系列で放送されたアニメ作品です。原案はその後「石ノ森章太郎」として知られる石森章太郎が手掛け、制作は東映動画が行いました。このアニメは全31話からなり、毎週月曜の19:00から19:30までの時間帯に放送されました。

概要

本作は初の海洋冒険アニメで、多くの影響を受けており、『ピーター・パン』や『シンドバッドの冒険』からのエッセンスが見られます。キャラクターの衣装やストーリー展開は、これらの作品を意識して作られました。主人公のキッドの声を担当したのは、当時12歳の古谷徹で、これが彼のデビュー作であり、初主演作でもあります。さらに、本作は大丸デパートが単独提供するアニメ枠『大丸ピーコック劇場』の第3作目であり、最終作でもありました。

1966年10月には、同じく大丸デパート提供のドラマ枠『大丸名作劇場』がスタートしましたが、本作のその後の放送枠の変遷はいまだに謎に包まれています。また、東京俳優生活協同組合が声優陣のキャスティングを担当したことも、本作の特筆すべき点です。

ストーリー

物語は、カリブ海に住む少年キッドから始まります。彼はある日、育ての親が亡くなったことをきっかけに、自分がかつて7つの海を制覇した海賊王モーガンの息子であることを知ります。この新たな真実を受けて、彼は少女パールや長老クラップと共に愛船ハリケーン号で大海原へ旅立ちます。しかし、旅の途中には貪欲な海賊・虎フグが立ちはだかり、彼らの冒険を妨害しようとします。キッドたちは虎フグとの戦いを繰り広げながら、世界の海を旅していくのです。

登場人物

• - キッド：主人公。船長となり、海賊の冒険に挑む。
• - パール：クラップの孫で、勝気な性格を持つ。
• - 虎フグ：キッドの宿敵で小帆船バラクーダ号を指揮する貪欲な海賊。
• - カトル、オクトパス、シャーク：キッドの部下で、それぞれ異なる個性を持つ。
• - バド：キッドの仲間のアホウドリで、彼を脚に掴まらせて飛ぶ。
• - クラップ：ハリケーン号の長老。
• - モンク：キッドのサルの仲間。

スタッフ

本作の製作には、製作担当の笹谷岩男と飯島敬が関わり、音楽は宮崎尚志が手掛け、作画は田島実をはじめとする多くのアニメーターが参加しました。主題歌も魅力的で、オープニングテーマ「海賊王子」やエンディングテーマ「海賊稼業はやめられない」が制作され、視聴者を引き込む要素となりました。

映像ソフト化

『海賊王子』は2005年からDVDとしてリリースされ、全話が収録されたデジタルリマスター版も2016年に発売されています。

漫画版

アニメ放送に合わせて、『週刊少年キング』で漫画版も連載され、こちらも石森章太郎の原作に基づいて制作されています。アニメと漫画では設定に若干の違いが見られ、虎フグの愛船なども別の形状となっています。

本作『海賊王子』は、アニメ史の中でも特異な存在として、多くのファンに愛され続けています。

もう一度検索