海野清

海野 清（うんの きよし）

海野清は、1884年11月8日に東京に生まれた日本の著名な工芸家であり、特に彫金の分野で卓越した技術を持つ人物でした。彼は日本芸術院の会員であり、人間国宝に認定されるなど、その業績は広く評価されています。さらに、全日本工芸美術家協会の会長、日本彫金家会の会長、日本美術刀剣会の常任審査員など、様々な重要な役職を長期間に渡り務め、彫金界の長老的な存在として貢献してきました。

来歴

海野は、彫金家・海野勝珉の三男として誕生しました。彼は、1911年に東京美術学校の金工科を卒業し、その後、父や加納夏雄から技術を学びました。1919年には母校の助教授となり、1928年には帝展で特選を受賞するなど、若い頃からその才能を発揮しました。さらに、1929年からは帝展や新文展の審査員を務め、その活動は評価され続けました。

1932年には、母校東京美術学校の教授に就任し、その後は在外研究員としてフランスに留学します。1934年に帰国後は、ますます活躍の場を広げていきました。1943年には勲三等瑞宝章を受章し、彼の工芸に対する貢献が公式に認められることとなります。

1947年には、帝国芸術院（現・日本芸術院）の会員に選ばれ、1949年には東京芸術大学の教授として教鞭を執り始めます。さらに、日展運営会の常任理事にも就任し、芸術界における重要なポジションを確立します。1955年には、重要無形文化財保持者（人間国宝）に認定され、彼の業績が国際的にも高く評価されるようになりました。

海野清の作品は、伝統的な技法を重んじながらも、独自の感性によって現代に通じる価値を持つものでした。彼が残した芸術や教育の道は、後の世代に多大な影響を与えています。1956年7月10日、彼は東大病院にて71歳で他界しましたが、彼の功績は今もなお多くの人に記憶されています。

日本の工芸美術の発展に寄与した海野清の足跡は、後世の彫金家たちにとっても大きな指針となっていることでしょう。彼が築いた歴史と技術は、日本の文化の一部として今日まで受け継がれています。

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