液量オンス

液量オンス（fluid ounce, 記号: fl oz）は、ヤード・ポンド法における体積の単位です。日本の計量単位令では「液用オンス」という語が用いられています。

この単位は、質量1常用オンスの水の体積に由来しますが、アメリカとイギリスでその値が異なり、さらに日本の計量単位令でも異なる定義がされています。それぞれの定義について詳しく見ていきましょう。

イギリスの液量オンス

イギリスの液量オンスは、英ガロンの160分の1、液量ドラムの8倍として定義されています。正確な値は28.4130625ミリリットルであり、約1.734立方インチに相当します。また、1英液量オンスの水の質量はほぼ1常用オンスです。

アメリカの液量オンス

アメリカの液量オンスは、米液量ガロンの128分の1として定義されています。米液量ガロンは正確に231立方インチであるため、米液量オンスは正確に1.8046875立方インチ、つまり29.5735295625ミリリットルとなります。ただし、栄養表示に関しては、法律により1液量オンスは正確に30ミリリットルと定められています。1米液量オンスの水の質量は約1.04常用オンスです。

日本の計量単位令

日本の計量法に基づく計量単位令別表7では、ヤード・ポンド法の単位が定義されています。そこでは、以下のように液量オンスの値が定められており、英米の法定定義とは異なっています。特に、英液用オンスの値は、イギリスの法定定義の数値の小数5位を四捨五入すると28.4131ミリリットルとなるはずですが、日本の計量単位令では28.4134ミリリットルとされています。

• - 1 米液用オンス = 正確に 29.5735 mL（アメリカの法定では、正確に 29.5735295625 mL）
• - 1 英液用オンス = 正確に 28.4134 mL（イギリスの法定では、正確に 28.4130625 mL）
• - 1 ガロン = 正確に 3.785412 L（アメリカの法定では、正確に 3.785411784 L）

液量オンスの慣用

日本では液量オンス（計量法上は「液用オンス」）はあまり使われませんが、酒類の計量において1液量オンスを30ミリリットルと換算することがあります。しかし、その場合でも「オンス」とは呼ばず、30ミリリットルの整数倍や分数倍相当のミリリットル数で表現されます。カクテルブックでは、英米のものではオンスの帯分数表示が用いられますが、日本のものはミリリットル表記が一般的です。

カクテルグラスの容量は通常3液量オンスです。シェイカーで調酒するショートドリンクの場合、シェイカーには2液量オンスの材料と氷が入れられ、シェイクによって氷が溶け、カクテルグラスに注ぐとちょうど3液量オンスになります。メジャーカップは1液量オンスと1 1/2液量オンスの組み合わせです。

ウィスキーでは、1液量オンスをシングル、2液量オンスをダブルと呼び、バーやパブでの注文時に使用されます。基本的に英液量オンスが基準ですが、日本では1液量オンス＝30ミリリットルとして換算・表示されます。カクテルでは、1.5液量オンスをジガーと呼び、バーテンダーが使用する計量カップとして存在します。

ショットグラスの容量は基本的に1英液用オンスで、ウィスキーのミニチュアボトルは約50ミリリットル（ダブルに相当）が基準です。タンブラーグラスも液量オンスを基準とすることがあり、6オンス、8オンス、10オンスなどのサイズがあります。

30ミリリットルとすることで、1/2、1/3などの帯分数表示が15ミリリットル、10ミリリットルなど、きりの良い数字になります。カクテルでは1ティースプーン（tsp）= 5ミリリットルなどの補助単位も使用され、整合性が保たれています。

清涼飲料水の瓶などでもオンス表示はないものの、実質的にオンス単位の内容量を含む飲料が販売されています（例：カナダドライ・セブンアップの207ml=7オンス、チェリオの296ml=10オンスなど。コカ・コーラのレギュラーサイズも190ml=約6.5オンス）。

関連項目

• - 体積の比較

外部リンク

• - 体積の他のユニットに液量オンスの変換

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