涼月 (駆逐艦)

駆逐艦「涼月」

日本海軍の駆逐艦「涼月」（すずつき）は、秋月型の3隻目として1942年に竣工しました。艦名は「さわやかに澄みきった秋の月」を意味し、命名は公的文書に基づいて行われました。涼月は特にその艦形特有の直線的な艦橋で知られ、運用中に得た経験から数々の戦闘でその存在感を示しました。

概要

1942年12月、三菱長崎造船所で完成した「涼月」は、太平洋戦争の激戦地である硫黄島やレイテ沖海戦に参加。1943年1月には第61駆逐隊に配属され、姉妹艦の「初月」や「若月」と共に輸送任務や護衛任務を行いました。特に1944年1月に起きた高知県沖での米潜水艦による攻撃を受け、大破するも自力で呉に帰還した際の奮闘は語り継がれています。

修理を経て再び戦闘に従事した涼月ですが、1945年4月の坊ノ岬沖海戦では再び被弾、大破に至りました。この戦闘では戦死者57名、負傷者34名を出しながらも、艦長の判断により命を繋ぎました。最終的に帰投した佐世保港では、艦内の浸水が進み着座しながらも、艦の運命を見届けた艦員たちの決意に涙を禁じえませんでした。

特徴と設計

「涼月」はその設計から、多くの秋月型艦艇とは異なる艦橋形状を持ち、特に角張った形状が目を引きます。この形状は、修理時に新造され、その後の運用に大きな影響を与えました。さらに、防空能力向上のため艦橋両翼に機銃台が装備され、当時の艦艇の中でも特出した防護力を持っていました。

戦歴と意義

「涼月」の戦歴は数々のメモリアルエピソードに彩られています。彼女は桑名海軍工廠で約3か月にわたる修理を受けた後も、目に見えぬ努力で海上に戻り続けました。その姿は仲間たちに希望を与え、「不沈艦」との名が示すように、数々の攻撃に耐え抜き、長命を全うしました。最終的には連合艦隊としての使命を全うすることはできなかったものの、坊ノ岬沖海戦での最後の戦いは、彼女の誇り高き艦歴を物語っています。

戦後の運命

戦後、「涼月」はその構造物の一部が撤去され、北九州港の防波堤に転用されました。その存在は地元の防波堤として親しまれ、艦船としての誇りある姿を永遠に記憶されることとなりました。これを持って、艦は歴史の中に埋もれながらも、後世への教訓とともに生き続けるのです。

「涼月」の物語は単なる戦艦の活躍に留まるものではなく、彼女の商品を通じて見ることができる歴史の一端を想起させます。多くの艦船たちの中で、一際煌めくこの艦の栄光を今なお忘れないものとしましょう。

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