淋しい熱帯魚

「淋しい熱帯魚」

「淋しい熱帯魚」（さみしいねったいぎょ）は、Winkの5枚目のシングルであり、1989年7月5日にポリスターからリリースされました。2028年にはデビューから30周年を迎え、完全限定盤がアナログ・シングルとして再発売されました。

曲の背景

表題曲は、1989年4月中旬から放送されたパナソニック・ヘッドホンステレオS-TYPEのCMで使用され、Winkが歌った短いフレーズが話題となりました。その後、同デュオのオリジナル楽曲としてリリースされることとなりました。作詞を及川眠子、作曲を尾関昌也、編曲を船山基紀が担当しています。発売当初は、6月28日と発表されていましたが、最終的には7月5日に決定しました。

カップリング曲は、「背中まで500マイル」で、アメリカの女性フォークシンガー、ヘディ・ウェストの1961年の楽曲「500 Miles」を日本語詞に翻訳したものです。

マスターテープとして使用されたのは、CMで流れた音源ではなく、5月21日にレコーディングされたもので、プロモーションビデオも5月26日に撮影されています。振付は五十嵐薫子が担当し、「70年代ディスコ、サイケ＋ニューヨーク」の印象を与えつつ、一部には「大魔神ポーズ」と呼ばれる有名な振付ポーズが含まれました。

ヒットの成功

リリースから短期間でオリコン初登場1位を獲得。その後、20週間にわたり100位内にランクインし、1989年度のオリコン年間ランキングでは7位に位置付けられました。このヒットにより、Winkは同曲を通じて『第22回全日本有線放送大賞』や『第31回日本レコード大賞』で年間グランプリを受賞し、また『第40回NHK紅白歌合戦』に初出場を果たしました。

特に、「淋しい熱帯魚」はWinkのイメージとして「無表情で歌う」という特徴が印象づけられる楽曲となりました。リリース当時、ボウリング場やゲームセンターでのレーザージュークも人気を支え、PVとともに楽曲が広まりました。

運命的なエピソード

「淋しい熱帯魚」には多くのエピソードが存在しています。特に、1989年8月10日に放送された『ザ・ベストテン』でWinkが無表情で曲を歌いながら突然笑ってしまうシーンが注目され、その後も多くのテレビ番組でこの出来事が引用されました。鈴木早智子と相田翔子のメンバーは、笑う理由についてさまざまなエピソードを語っており、緊張のあまり思わず笑ってしまったり、演出の影響を受けたりする瞬間がありました。

また、イントロの構成に関しても、デモテープの記録された部分に由来するためがあるとも言われており、音楽的な側面でも一工夫がありました。

音楽の影響

「淋しい熱帯魚」は、その後も多くのカバーやパロディ曲に影響を与える存在となりました。特にとんねるずによるパロディ曲「淋しい病気が止まらない」や、多くのCMで同曲の振付を模した演出が見られるようになり、楽曲の影響力は広がっていきました。

復活の瞬間

Winkは1996年に活動を停止しましたが、その後も1998年、1999年、2008年、2018年に再び一時活動を果たし、テレビ番組で「淋しい熱帯魚」を披露するなど、ファンの記憶に強く刻まれた楽曲としての位置を保っています。

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