淡路フェリーボート

淡路フェリーボート株式会社の概要

淡路フェリーボート株式会社は、兵庫県神戸市垂水区に本社を置く企業であり、かつては淡路島と本州を結ぶ短距離フェリーサービスを提供していました。初代の取締役会長には、三洋電機の創業者である井植歳男が就任していました。現在、フェリー事業は終了していますが、社名を変えることなく洲本ゴルフ倶楽部を運営するほか、関連会社を通じてホテルや自動車教習所、飲食サービスなど、多角的な事業を展開しています。かつては大阪証券取引所の2部に上場していました。

航路の歴史

本州 - 淡路島間の航路

1963年7月4日、淡路・浦港と神戸・長田港を結ぶ航路が運航を開始しました。最初の船は330トン及び360トン級で、当初の運航は24時間体制で行われていました。1968年には船舶の大型化が進み、1100トン級の船が導入され、大磯港と須磨港との間でも運航が開始されました。しかし、1970年代に入ると、運航は大磯 - 須磨間に集約されました。

西宮 - 志筑航路

1971年には甲子園高速フェリーとの共同運航により、西宮 - 志筑間の新たな航路が生まれましたが、翌年には撤退しました。

当初のフェリー利用は活発であり、須磨港周辺では住宅を抱えた地域で騒音が問題視され、深夜便を六甲アイランドから発着させるなどの対策が講じられました。須磨港の立地が阪神高速道路に近く、公共交通の接続が優れていたため、通勤や通学の重要な手段として利用されました。

利用客が多い時は増便も行われ、ピーク時には待機する車両が長蛇の列を形成しましたが、各港には十分な駐車スペースが確保されていました。

1995年には阪神・淡路大震災の影響を受け、一時的に減便が余儀なくされ、運行ルートを変更する業者も多くいました。

最終的に、明石海峡大橋の開通に伴い、1998年4月5日に航路が閉鎖され、35年間にわたる運航の歴史に幕を下ろしました。

淡路島 - 四国航路

別の運航として1965年から1980年代半ばにかけては淡路・阿那賀港と徳島の亀浦港を結ぶ航路もあり、最盛期には1日36往復の運航が行われていました。ですが、1985年に大鳴門橋が開通すると利用者が減少し、1995年にはこの航路も運航を休止しました。これにより、原動機付き自転車やミニカーなどが陸路を用いないと移動が難しくなりました。

その他の事業

淡路フェリーボートは、クルージング船や大型ヘリコプターの運航を行い、ラジオCMでも「海のハイウェイ」をテーマに広く宣伝されていました。航路の廃止間際には、感謝の意が込められて様々なCMが放送されました。

また、航路で販売されていたカツサンドや、東京から四国へ向かう夜行高速バス「エディ号」は当社のフェリーを利用して明石海峡を渡っていました。

現在の展開と将来

航路の廃止後、須磨港の本社や関連する施設は解体され、跡地は須磨シーサイド球場等に利用されました。現在でも、駐車場として利用されているスペースや新たに開業した商業施設などがこの地域に存在しています。淡路フェリーボートは、変化を続けながら地域経済に関与しており、新たなビジネスモデルの模索が続いています。

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