淮海戦役

淮海戦役についての詳細

淮海戦役（わいかいせんえき）は、1948年11月6日から1949年1月10日にかけて、国共内戦の重要な戦闘として展開されました。この戦役は中華民国の国軍と中国共産党の人民解放軍との間で行われました。国共内戦の三大戦役の一つであり、中華民国側では徐蚌会戦としても知られています。

背景

1948年8月、華東野戦軍が済南戦役で勝利を収めた後、共産党の粟裕司令官代理は、この勝利を活かして国軍の支配地域である淮陰、淮安、宝応、高郵、海州、連雲港を攻撃する戦闘を提案しました。これは徐州を奪取するための準備ともなり、淮海戦役と命名されました。共産党にとっては以前より比較的小規模な戦闘を想定していましたが、華東野戦軍は国軍の戦力に迫っていました。

一方、中華民国の総統蔣介石は、南京を守るために徐州周辺に80万人の兵力を配置しました。これに対抗するために共産党は、60万人以上の部隊を広大な戦域に展開し、戦局の主導権を握ろうとしました。

戦闘の経過

淮海戦役は三つの段階に分かれます。

第一段階

1948年11月6日夜、華東野戦軍が戦闘を開始しました。国軍は徐州周辺に部隊を配置しようとしましたが、撤退が混乱に陥りました。11月8日、共産党の地下党員の働きにより、国軍の7個師団が大運河を渡るのを阻止され、徐州近郊で包囲されてしまいました。この包囲から逃れられなかった国軍の第7兵団は、11月22日には全滅しました。

第二段階

11月23日、共産党軍は国軍本部の増援部隊を包囲し、徐州守備隊の撤退を余儀なくさせました。徐州攻撃の責任者であった劉峙は徐州を離れ、11月30日、国軍は徐州を放棄して撤退を決定しました。この段階では、徐州から南東に進軍して黄維の部隊を救出する試みも功を奏さず、2つの部隊が包囲されました。

第三段階

1949年1月6日、共産党軍が杜聿明の指揮する第2兵団に対して総攻撃を開始し、相次ぐ敗北が続きます。杜聿明が捕虜となり、国軍は連携を失い、淮海戦役は完結を迎えました。

原因と影響

この戦役の勝利により、共産党軍は広範な地域を支配することが可能となりました。南京や上海が直接の脅威にさらされる中、蔣介石の指導力は揺らぎ、彼の地位は大きな打撃を受けました。戦闘による国軍の士気低下は後の戦闘に影響を与え、共産党の優位を決定的にしました。

関連作品

淮海戦役を題材にした映画には、『大決戦』や『戦場のレクイエム』などがあります。この戦役は中国の歴史の中で重要な位置を占めており、多くの人々にその影響を考えさせる出来事となっています。

もう一度検索