劉峙

劉峙（りゅう じ）の生涯

劉峙は、台湾における中華民国の著名な軍人であり、国民革命軍の一員として数々の戦争に参加し活躍しました。特に北伐や反蔣介石戦争などで注目される存在でしたが、日中戦争や国共内戦では数多くの敗北を経験しています。彼の名は経符、経扶、軽扶で、別名を天岳とも呼ばれます。彼の人生は波乱に満ちており、特に政治や軍事の流動的な時代において、重要な役割を果たしました。

初期の活動

劉峙は若き頃、旧学を学びましたが、15歳の時に長沙に移り住み、湖南陸軍小学堂に入学しました。1911年に卒業後は武昌陸軍中学堂に進学し、辛亥革命の勃発と共に革命派に加わりました。彼は反袁世凱活動にも従事し、1914年に予備学校を卒業後、陸軍に配属されました。護国戦争に参加し、その後、陳炯明率いる広東軍での重要な役職も担い、徐々に軍事的なキャリアを築いていきました。

北伐とその後の戦績

1924年に黄埔軍官学校が開校すると、劉峙はここで教官として軍事教育に携わり、次第にその地位を上げていきました。彼は国民革命軍の創設に伴い、上級指揮官として活動することになり、特に北伐では重要な役割を果たしました。第1軍第2師の副師長や師長としても指導的立場にあった彼は、蔣介石の指示で共産党員の拘留を行うなど、権力の中枢にも関与しました。

北伐の成功により、劉峙はさらなる昇進を遂げ、軍の指揮を執る中で数々の戦闘で勝利を収めました。特に、長江を渡河し上海の守備を任されるなど、その活躍は際立っていました。これにより、彼は昇進を重ね、1軍団の指揮官となります。

反蔣戦争と紅軍掃討作戦

北伐終了後、彼は一時降格したものの、再び反蔣介石戦争や共産党包囲の際には重要な指導者としてその名を色濃く残しました。1930年には中原大戦で反蔣軍を攻撃し、勝利を収めるも、その後も厳しい戦局に苦しむことになります。彼は依然として中国の政局に影響を及ぼす存在であり続けました。

日中戦争とその後の失墜

1937年に日中戦争が勃発すると、彼は第1戦区の指揮官として駐留しましたが、戦局の悪化に伴い、日本軍の攻撃に耐えきれず、保定を失い、一連の敗北を喫しました。その後、彼は徐々に指揮権を他の将軍に譲り、自身の影響力は低下しました。

1940年代に入ると、国共内戦の進展に伴い、劉峙は度重なる敗北を経験し、最終的には台湾に逃れることとなります。

晩年と死

戦後、劉峙は台湾に移住し、総統府国策顧問としての肩書きを得ますが、彼の軍事的名声とは裏腹に、失敗の数々が後を引きました。1971年、台湾にて亡くなるまで、彼はその生涯を通じて激しい政治の波に翻弄され続けました。享年80歳であり、その生涯は台湾の歴史の中でも特異な立ち位置を占めています。

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