深沢峡

深沢峡（ふかさわきょう）

深沢峡は、岐阜県の加茂郡八百津町と瑞浪市にまたがり、木曽川沿いに広がる渓谷です。具体的には、既存の丸山ダムから遡ることおよそ10キロメートル上流に位置しています。

かつての景観とダムによる変化

この地は、丸山ダムが建設される以前、木曽川が深い谷底を縫うように流れる、交通の難所として知られていました。しかし、昭和30年（1955年）に丸山ダムが完成したことにより、かつての峡谷の景観は大きく変貌します。一帯はダムによってせき止められた水によって形成されたダム湖、「丸山蘇水湖」の湖底へと沈んでいったのです。かつては旅人が休憩したであろう茶店の跡なども周辺には見られますが、現在ではこれらの場所も立ち入りが制限されています。

現在のアクセス状況と立入制限

現在の深沢峡へのアクセスは極めて困難な状況にあります。

この地域を通過する道路の一つに、いわゆる「酷道」や「点線国道」として、その険しい道のりや通行の困難さで知られる国道418号があります。しかし、深沢峡周辺の国道418号は、現在、通行禁止区間に指定されており、車両はもちろん、人の立ち入りも厳しく制限されています。

また、同じくこの付近を通る岐阜県道352号大西瑞浪線も、道路状態が決して良いとは言えません。特に、集落の北端から木曽川に架かる五月橋（さつきばし）までの区間は、自動車が通行できない区間となっています。

これらの状況から、深沢峡へ自動車で向かうことは現在では不可能であり、事実上、立ち入りが禁止されている場所となっています。

木曽川に架かる五月橋は、かつての県道の一部でしたが、この橋も現在では老朽化などが進み、安全確保のため立ち入りが禁止されています。

新たなダム計画と将来への影響

現在、既存の丸山ダムのすぐ下流側では、新たに新丸山ダムの建設プロジェクトが進められています。この新ダムが完成すると、現在の五月橋を含む周辺の一帯は、再びダム湖の範囲に含まれることとなり、五月橋は完全に水没する予定です。

また、ダム本体工事に先行して、国道418号などの周辺道路の付け替え工事も実施されており、この地域の交通網は将来的に大きく様変わりすることが予想されます。

このように、深沢峡はかつての難所がダムによって湖底に沈み、現在はアクセスが極めて困難で立ち入りが制限された区域となっています。過去の面影を偲ばせる場所もありますが、その多くは容易に近づくことができない状況にあります。

関連項目

国道418号
岐阜県道352号大西瑞浪線
五月橋 (木曽川)
丸山ダム
* 新丸山ダム

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