深沢眞二

深沢眞二：近世俳諧研究の第一人者

深沢眞二氏は1960年、山梨県甲府市に生まれました。山梨県立甲府南高等学校を経て、京都大学文学部国文科を卒業、同大学院博士課程を満期退学後、国文学研究資料館助手などを経て、和光大学教授として後進の育成に当たっています。近世俳諧を専門とする国文学者として、その研究活動は高く評価されており、1991年には柿衛賞を受賞、2005年には京都大学より文学博士号を取得しています。

幅広い研究活動と豊富な著作

深沢氏の研究は、近世俳諧という専門分野にとどまらず、連歌や和漢文学など、日本の古典文学全般に及びます。特に、近世初期の俳諧や連歌に関する研究は、その精緻さで知られています。

その著作は多岐に渡り、専門的な研究書から一般読者向けの解説書まで、様々な書籍を世に送り出しています。『風雅と笑い 芭蕉叢考』や『旅する俳諧師 芭蕉叢考 2』といった芭蕉に関する研究書は、その深い洞察と読みやすさで高い評価を受けています。『なまずの孫』シリーズのようなユニークな著作も手がけており、幅広い読者に親しまれています。さらに、『「和漢」の世界 和漢聯句の基礎的研究』や『連句の教室 ことばを付けて遊ぶ』など、和漢聯句や連歌を分かりやすく解説した著作は、多くの学生や研究者にとって貴重な資料となっています。

共同研究や編著にも積極的に参加しており、『近世初期刊行連歌寄合書三種集成』や『おくのほそ道大全』などの編著は、古典研究に大きく貢献しています。また、妻である深沢了子氏との共編による『芭蕉・蕪村春夏秋冬を詠む』シリーズは、芭蕉と蕪村の俳句を四季を通して楽しめる貴重な資料となっています。

学術誌への論文寄稿

深沢氏は、数多くの学術論文を発表しており、その内容は近世俳諧の様々な側面を網羅しています。例えば、「寛永期の和漢俳諧」や「『誹諧新式』の韻字の集」といった論文では、近世俳諧における歴史的、言語的な側面について詳細な分析を行っています。また、「蛙はなぜ飛びこんだか：「古池」句の成立と解釈」や「おくの風流：芭蕉発句叢考」など、芭蕉の代表的な句の解釈に新たな視点を取り入れた論文も発表しています。これらの論文は、いずれも近世俳諧研究において重要な貢献を果たしています。発表媒体は『連歌俳諧研究』、『雅俗』、『東洋学報』、『表現学部紀要』、『近世文藝』など多岐に渡ります。

まとめ

深沢眞二氏は、その深い知識と鋭い洞察力に基づいた研究活動を通して、近世俳諧研究に多大なる貢献を果たしている国文学者です。多様な著作、論文発表、そして共同研究への積極的な参加は、日本の古典文学研究に新たな地平を開くものとなっています。これからも、深沢氏の更なる活躍に期待が高まります。

もう一度検索