深澤美和

深澤美和（ふかさわ みわ）

元女子プロ野球選手。本名は鈴木美和。1986年10月2日、静岡県に生まれる。現役引退後は指導者として至学館高等学校および至学館大学の女子硬式野球部監督を務めている。

アマチュア野球での経験

野球との出会いは少年時代に遡る。浮島少年野球団で基礎を学び、その後富士シニアへと進んだ。中学、高校時代はソフトボールを選択し、浮島中学校、加藤学園高校のソフトボール部で技術を磨いた。

大学では再び硬式野球の世界へ。中京女子大学に硬式野球部が創設された際に、立ち上げメンバーの一人として名を連ね、事実上の初代主将という重責を担った。大学4年間は、女子チームとして男子チームとの対戦を重ねるという非常に厳しい環境で、結果は0勝45敗。勝利を手にすることは叶わなかったが、最後の試合では後輩たちに勝ち星を掴ませたいと涙を流すなど、チームへの強い思いを抱いていた。

大学卒業後、日本プロスポーツ専門学校の硬式野球部に進学。ここではチーム唯一の女子部員として、男子部員たちとともに研鑽を積み、試合に出場した。

プロ野球への挑戦と現役時代

当初は教員になることを志していたが、両親の後押しもあり、プロ野球選手への道を模索。2009年、日本女子プロ野球機構が実施したトライアウトを受験し、見事合格を勝ち取った。同年12月のドラフト会議では、京都アストドリームスから内野手として4巡目に指名され、プロ入りが決定した。

プロ1年目となる2010年シーズンは、京都アストドリームスの一員としてプレー。主にセカンドのポジションを守り、レギュラーとして全試合に出場。打率.282という数字を残し、一定の活躍を見せた。このシーズンのオフ、チームメイトの中村茜とともに、小久保志乃・松本育代との交換トレードにより、兵庫スイングスマイリーズへ移籍することとなった。

移籍後の2011年シーズンは、チーム内の競争に直面する。兵庫の二塁には、前年に3割5分を打っていた松本育代が故障したとはいえ、深澤と同等の成績を残していた田中幸夏の存在があった。深澤は田中とのポジション争いに敗れ、正遊撃手である厚ヶ瀬美姫がマウンドに立つ際の控え内野手という位置づけでシーズンを迎えることになった。しかし、開幕早々に投手・厚ヶ瀬が不調に陥り、リリーフ登板の機会が激減したことで、彼女に代わって守備につくはずだった深澤の出番もほとんどなくなってしまった。結局、このシーズンはわずか18試合の出場にとどまった。

シーズン終了後の2011年12月13日、日本女子プロ野球機構から退団が発表され、その3日後には、戦力構想外となったことが退団の理由であったと公表された。これにより、深澤美和のプロ野球選手としてのキャリアは幕を閉じた。プロ通算で背番号「4」を着用した（2010年-2011年）。

指導者としての活動

プロ野球界を離れた後、新たな道として指導者のキャリアをスタートさせた。2012年4月からは、愛知県にある至学館高等学校および至学館大学の女子硬式野球部監督に就任。学生野球の現場で後進の育成に力を注いでいる。

私生活では、2015年に結婚。夫は至学館高校野球部の監督を務める鈴木雄太氏である。翌2016年には出産を経験し、一児の母となっている。

野球選手として、また指導者として、女子野球の発展に貢献し続けている人物である。

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