小久保志乃

小久保 志乃（こくぼ しの）

1988年1月16日生まれ、東京都練馬区出身の元女子プロ野球選手。主に外野手、投手、三塁手としてプレーし、右投げ右打ち。引退後は指導者、高校教員としても活動している。

経歴

野球を始めた幼少期からその才能を示し、アマチュア時代には輝かしい実績を残した。

2004年に開催された第1回IBAF女子ワールドカップでは、若くして日本代表に選出され、国際舞台での経験を積んだ。

大学は日本女子体育大学に進学。在学中はクラブチーム「ハマンジ」に所属し、国内女子野球の主要リーグであるヴィーナスリーグでプレーした。このリーグでは外野手として傑出した活躍を見せ、最優秀選手にあたるベストナインに4度にわたって選ばれる栄誉に輝いた。

プロ時代

2009年、日本女子プロ野球機構の発足に伴い実施された第1回合同トライアウトを受験し、見事に合格。同年12月のドラフト会議では、外野手部門の1巡目で複数の球団から指名を受け、抽選の結果、兵庫スイングスマイリーズに入団が決定した。

プロ1年目の2010年シーズンから、投手と野手を兼任する「二刀流」としてチームの主軸を担った。打者としてはリーグ3位の打率を記録し、投手としても防御率、勝利数の両部門でリーグ2位という好成績を収め、投打両面でチームに大きく貢献した。

2010年シーズン終了後、リーグ全体の戦力均衡を目的とした機構主導の措置により、チームメイトの松本育代と共に、深澤美和、中村茜との交換トレードで京都アストドリームスへ移籍することとなった。

京都へ移籍した2011年シーズンは、投手としてリーグ2位となる7勝を挙げたが、打撃面では打率が3割を下回るなど、前年に比べ不振に陥った。

2011年シーズン終了後、再び移籍が発表された。今度は新設された大阪ブレイビーハニーズへの所属となった。この移籍は拡張ドラフトを伴わない、機構による一方的な発表という形で行われた。プロ入りから3年連続で異なる球団に所属することとなり、この年まで毎年移籍を経験した唯一の選手であった。新天地での背番号は、前年に機構から戦力外通告を受けた野々村聡子が付けていた「25」を引き継いだ。

大阪ブレイビーハニーズは、2013年に東北レイアへと球団名が変更された。その後、所属球団は兵庫ディオーネと名称を変え、2015年シーズンを最後に現役を引退することを表明した。

主な記録

100安打: 2012年5月26日、神戸総合運動公園サブ球場での対兵庫スイングスマイリーズ戦。3回裏に植村美奈子投手から左前打を放ち達成。
200安打: 2015年10月2日、越谷市民球場での対埼玉アストライア戦。6回表に渚投手から中越二塁打を放ち達成。

背番号

1: 2010年、2013年 - 2015年
19: 2011年
* 25: 2012年

引退後

現役引退後も女子野球への情熱は衰えず、指導者としての道を歩む。

2016年からは岐阜第一高等学校に保健体育科の教員として着任し、同校の女子硬式野球部の監督として、若い世代の育成に力を注いだ。

2024年7月には、滋賀県を拠点とするクラブチーム「東近江バイオレッツ」に入団し、コーチに就任した。背番号は「81」を着用。同年9月からは、監督を務めていた中村茜（選手兼任コーチに転身）と入れ替わる形で、同チームの監督代行に就任し、チームの指揮を執っている。

現役時代の輝かしい実績に加え、引退後も指導者として女子野球界の発展に貢献し続ける存在である。

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