深緑夏代

深緑 夏代の生涯と業績

深緑 夏代（ふかみどり なつよ、1921年9月24日 - 2009年8月31日）は、京城（現・ソウル）生まれの著名なシャンソン歌手であり、音楽講師としても高く評価されました。彼女の本名は多田 玲子（ただ れいこ）で、愛称にはターコさんやターコ先生などがありました。

幼少期と宝塚歌劇団への入団

彼女は、1933年に七人姉弟の長女として誕生しました。1934年に日本に帰国し、対馬高等女学校に入学。その後1935年に宝塚音楽学校へ転校し、宝塚歌劇団25期生として入団しました。この際の成績は104人中56位でした。

初舞台は1936年の『バービーの結婚』で、以降彼女は多くの舞台でその才能を発揮していきます。1946年には、宝塚歌劇団の戦後再開初演『カルメン』で主役に選ばれ、さらには関西オペラでも同役を演じ、多くの観客を魅了しました。

シャンソン歌手としての活動

1955年、宝塚歌劇団を退団し、シャンソン歌手としてのキャリアが本格的に始まります。1956年にはパリに6か月滞在し、その後日本でシャンソンの普及に努めました。1957年に東京・ヤマハホールで初のリサイタルを開催し、以後毎年リサイタルを行うなど、多くの人々にシャンソンを届けました。

1966年から1977年まで、宝塚歌劇団のシャンソン講師として数多くの後進を指導しました。その中には、後のトップスターとなった安奈淳や麻実れい、大地真央などが含まれます。彼女はシャンソン教室を各地で開き、一万人以上の生徒に指導を行ったとされています。

影響と教え子

深緑は、1960年代に立教大学の学生だったなかにし礼の才能を見抜き、シャンソンの訳詞を依頼しました。この経験がなかにしの作詞家としてのキャリアの一歩となったとのことです。二人の関係は終生続き、深緑が亡くなる際もなかにしは弔辞を述べました。

栄誉と晩年

彼女は1994年に勲四等瑞宝章を受章し、シャンソン界での功績が評価されました。1999年に胃癌を患うも見事に回復し、その後も精力的に活動を続けました。2009年8月31日、肺炎により87歳で永眠。古巣である宝塚歌劇団の歴史に名を刻む存在であり、2014年には『宝塚歌劇の殿堂』の最初の100人のうちの一人として殿堂入りを果たしました。

最後に

深緑夏代は、日本のシャンソン界の先駆者として、多くの人々に愛され続ける存在でした。彼女の遺した業績や教えは、今も多くの人々に影響を与え続けています。

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