淵鑑類函

淵鑑類函（えんかんるいかん）

淵鑑類函は、中国の清朝にあたる時代に、康熙帝の命によって編纂された類書であり、1710年に完成した作品です。この書物は、古今類書の淵海に基づくもので、その内容は幅広い分野にわたる知識を集約していることから、百科事典的な特性を持っています。

概要

淵鑑類函の基となる作品は、明代の兪安期による『唐類函』です。この書物は、北堂書鈔や芸文類聚、初学記、白氏六帖といった唐の四大類書を参考にし、天部以下43部門に分類された200巻から構成されていました。それに対して、淵鑑類函はこの『唐類函』を基礎にしながら、さらに宋、元、明の時代の詩文や事件に関する情報を加えています。

淵鑑類函は、天部、歳時部、地部、帝王部、后妃部、設官部など、合計で45部門に分類され、全450巻から成り立っています。底本部分は「原」と示され、増補部分には「増」と明記されています。このように、底本に則りながらも新たに情報を付け加えることで、より充実した内容を提供しています。

役割と用途

この類書は、詩文を創作する際の参考資料や、歴史的な故事を調査する際に非常に役立つ書として広く利用されました。特に江戸時代の日本においても、淵鑑類函は重要な資料として取り扱われ、多くの知識人や文人に影響を与えました。その情報が日本に伝わることで、詩文や歴史に対する理解が深まる一助となったと言われています。

参考資料

淵鑑類函の詳細な内容や背景については、以下の文献が参考になります。これらの資料は、書物の成り立ちやその重要性を理解するために役立ちます。

• - 『中国文化史大事典』（大修館書店）
• - 『中国学芸大事典』（大修館書店）

外部リンク

さらに詳しい情報は、国立国会図書館のデジタルコレクションでご覧いただけます。

• - 唐類函 200巻
• - 淵鑑類函 450巻

関連項目

淵鑑類函は古今図書集成などと同様、古代から近世にかけての知識の集大成であり、今なお多くの人にとって重要な文献とされています。このように、多彩な知識を提供する淵鑑類函は、歴史的にも文化的にも大きな意義を持つ作品です。

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