淺尾奥山 (4代目)

四代目淺尾奥山（1894年1月4日 - 1974年11月29日）は、上方歌舞伎界で名を馳せた歌舞伎役者です。屋号を錢屋と称し、定紋には木槌、替え紋には裏牡丹を用いていました。本名を尾田木駒造といい、その芸歴は多岐にわたります。

京都で生を受けた奥山は、三代目淺尾大吉（浅尾関十郎）に師事し、浅尾関三郎として初舞台を踏みました。その後、1930年1月には、四代目淺尾奧山を襲名し、関西歌舞伎界で重きをなす存在となります。特に、世話物の老け役や脇役としての演技は、その卓越した表現力で観客を魅了しました。

1955年からは、俳優長谷川一夫の誘いを受け、大映京都に所属し映画界にも進出しました。約10年間、映画や東宝歌舞伎にも出演し、その才能を広く知らしめました。その後、歌舞伎界に復帰し、東宝系の舞台で活躍を続けました。

奥山の芸は、堅実かつ老巧であると評され、「名優奧山」と称賛されました。『治郎吉懺悔』の伝吉役や、『仮名手本忠臣蔵』の「六段目」のおかや役など、印象深い舞台を数多く残しています。特に、晩年の1973年7月、歌舞伎座で十七代目中村勘三郎と共演した『夏祭浪花鑑』の義平次役は、観客から絶大な評価を受けました。

四代目淺尾奥山は、その生涯を通じて歌舞伎の発展に大きく貢献し、多くの人々に感動を与えた名優として、その名を歴史に刻んでいます。

参考文献
野島寿三郎編　『歌舞伎人名事典』（新訂増補）　日外アソシエーツ、2002年

外部リンク
浅尾奥山 - KINENOTE

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