清左衛門残日録

『清左衛門残日録』について

『清左衛門残日録』（せいざえもんざんじつろく）は、1993年4月2日から7月9日まで、NHK「金曜時代劇」で放送された時代劇です。本作は藤沢周平の小説「三屋清左衛門残日録」を基に制作され、全14話の構成となっています。

物語は、東北のある藩で長年用人として仕えていた三屋清左衛門が、先代の藩主の死をきっかけに家督を譲り、隠居後の生活に焦点を当てています。清左衛門は、自身が俗世から距離を置いているつもりでも、藩内での対立や親友たちのその後、女将との淡い恋愛模様、そして子供たちや嫁たちとの関係が描かれます。

この作品では、清左衛門が隠居したものの、実際には彼の周囲には様々な人が影響を及ぼしており、彼の人生は一筋縄ではいかないことが伝わってきます。時代劇の王道とも言える人間ドラマや、感情的な対立が織り交ぜられたストーリー展開が視聴者を引きつけました。

スタッフとキャスト

『清左衛門残日録』の原作は藤沢周平によるもので、脚本は竹山洋が担当しました。音楽の編曲や演奏は佐藤直紀と徳永暁人が手掛けています。主演を務めるのは、名優・仲代達矢が三屋清左衛門役で登場し、他にも南果歩、かたせ梨乃、財津一郎、山下真司など実力派の俳優たちがキャストとして名を連ねています。

サブタイトル

全14話はそれぞれにタイトルが付けられており、物語の進行やテーマを反映しています。例を挙げると、第1話の「昏ルルニ未ダ遠シ」や、第10話の「夢」は特に印象的で、物語のクライマックスや感情の高まりを象徴しています。第10話は文化庁芸術作品賞も受賞しており、特に高い評価を得ています。

受賞歴

『清左衛門残日録』は、そのクオリティの高さが多くの専門機関からも認められました。第20回放送文化基金賞や第31回ギャラクシー賞・テレビ部門推奨、さらには第2回橋田賞を受賞しており、時代劇の枠を越えた素晴らしい作品として記憶されています。

さらに、1995年1月3日には続編となる『清左衛門残日録 仇討ち!播磨屋の決闘』がNHKの正月時代劇枠で放送され、こちらも視聴者から好評を博しました。

このように『清左衛門残日録』は、日本の時代劇の中でも特に人間ドラマを重点に置いた作品であり、市井の人々の感情や生活を丁寧に描くことで、より深い理解を得ることができる作品となっています。

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