清水バイパス

清水バイパス（しみずバイパス）は、静岡県静岡市清水区の南部地域を通過する、重要な幹線道路である国道150号のバイパス道路です。この道路は、太平洋に面した駿河湾の海岸線に沿って伸びており、交通の円滑化を目的として整備されました。

路線の総延長は約4,170メートルにおよび、全線にわたって4車線が確保されています。バイパス区間は、海岸線に沿った比較的平坦な地形を通過するため、大部分が信号が少ない直線区間となっており、これにより円滑で速度の維持しやすい交通流が実現されています。地域の交通アクセス向上に加え、産業や物流の効率化にも貢献しています。

このバイパスの重要な接続点の一つに、静岡県道198号駒越富士見線との交差部があります。この県道を経由することで、日本平や静岡市立清水病院方面へのアクセスが可能となります。特に、下り線側の接続工事においては、バイパス本線が同時に海岸の防波堤としての機能も担っているという特殊な構造から、立体交差化のために本線にトンネル状の開口部を設けることが技術的な課題となり、整備の過程で詳細な検討が必要とされました。これらの技術的な問題を克服し、静岡県道198号との接続は2018年3月25日に実現しました。

清水バイパスの整備事業は、1994年（平成6年）に始まりました。初期の段階では、1998年（平成10年）に駒越東町から駒越南町にかけての既存道路区間170メートルの拡幅工事が先行して完了しました。事業推進体制においては、2005年（平成17年）に事業主体が静岡県から静岡市に移管され、より地域に密着した形で整備が進められることとなりました。そして、駒越南町から終点である蛇塚までの約4キロメートルにおよぶバイパスの主要区間が2008年（平成20年）3月3日に供用を開始し、これにより清水バイパスは全線開通を迎えました。

通過する自治体は静岡県静岡市清水区のみです。起点となるのは清水区駒越東町で静岡県道199号三保駒越線と交差する地点、終点は清水区蛇塚で国道150号の現道に接続する地点です。また、このバイパスは現道を経由することで、静岡バイパスとも接続が可能です。

関連する道路としては、母体である国道150号の他、道路網におけるバイパス道路の一般的な役割についても触れることができます。なお、同名で存在する道路として、熊本県熊本市にも国道3号のバイパスである清水バイパスがありますが、こちらは1967年（昭和42年）に開通した全く別の路線であり、混同しないよう注意が必要です。

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