静岡バイパス

静岡バイパス

静岡バイパスは、静岡県静岡市駿河区に位置する国道150号の一部を構成する重要なバイパス道路です。このバイパスは、大きく分けて静岡市駿河区の安倍川より東側の市街地区間と、その西に続く大崩海岸沿いの難所を迂回する新日本坂トンネル周辺区間の二つから成り立っています。これらの区間は、国道150号の静岡市内のルート、すなわち清水バイパス、日本平南麓の現道拡幅区間、安倍川以東のバイパス区間、中島交差点以西の現道拡幅区間、そして新日本坂トンネル周辺から成る全体の一部を担っています。

路線データ

静岡バイパスのうち、安倍川以東のバイパス区間は、静岡市駿河区下島にある下島南交差点を起点とし、同じ駿河区の中島、具体的には南安倍川橋に接続する地点を終点としています。この区間は延長約2.3キロメートルで、道路構造令に基づく第4種第1級の規格で整備されており、設計速度は時速60キロメートルに設定されています。

各区間の詳細

安倍川以東区間

この区間は、静岡市駿河区の海岸線に沿って建設された4車線の道路です。段階的に供用が開始されており、大浜橋交差点より東側の部分は2001年3月に、大浜橋交差点から中島交差点までの約1.0キロメートルの平面区間は2010年8月28日の午後5時にそれぞれ開通しました。バイパス道路と南安倍川橋をスムーズに接続するため、この区間はやや屈折した線形となっているのが特徴です。さらに、大浜橋交差点付近から南安倍川橋に至る区間の平面部上には、中島高架橋（延長1,150メートル）が建設され、2018年3月24日に開通を迎えることで、立体的な交通の流れが実現しています。

新日本坂トンネル周辺区間

新日本坂トンネル周辺区間は、静岡市駿河区広野にある静岡県道416号静岡焼津線との交差点を起点とし、焼津市八楠にある国道150号焼津バイパスおよび静岡県道81号焼津森線との交差点を終点としています。この区間は全線が4車線で整備されています。歴史的には、大崩海岸沿いの断崖に沿って走っていた旧国道150号（現在の静岡県道416号）の交通上の難所を解消するためのバイパスとして計画され、1978年5月に開通しました。この区間は、複数のトンネルと前後の地上部から構成されています。静岡市側の一部は、東海道新幹線や東海道本線との交差部分を中心に高架化されていますが、焼津市側は大部分が平面交差となっています。特に焼津市側では東海道新幹線と並行しており、新幹線の車窓からもその特徴的な景観を眺めることができます。

交通量の増加に伴い、トンネル部では改良が行われました。上り線専用として新たに全長3,104メートルのトンネルが掘削され、2003年8月6日には上下線合わせて4車線での供用が開始されました。現在の下り線は、石部トンネル（全長755メートル）と旧新日本坂トンネル（全長2,206メートル）を連続して走行する形となっています。これらの改良を経て、この区間は2004年7月30日に国道150号の本線に昇格しています。

地理と接続

静岡バイパスが通過する自治体は、静岡県静岡市（駿河区）と焼津市です。接続する主なバイパスとしては、東側に続く清水バイパス、西側に続く焼津バイパスがあります。

静岡バイパスは、静岡市と焼津市を結ぶ国道150号において、市街地と大崩海岸の難所を回避し、円滑な交通流を確保する上で極めて重要な役割を担っています。その整備は段階的に進められ、地域の経済活動や住民生活を支える基盤となっています。

もう一度検索