清水信義

清水信義（しみず のぶよし）は、1941年8月10日に大阪府大阪市で生まれ、2015年6月5日に73歳で亡くなった、日本の著名な遺伝学者です。彼は、慶應義塾大学医学部分子生物学教室の教授を経て、同大学の名誉教授となりました。また、理学博士（名古屋大学・1971年）および名誉医学博士の学位も保持しており、専門分野はゲノム科学と遺伝子医学でした。

清水信義は、名古屋大学を卒業後、名古屋大学大学院理学研究科博士課程を修了しました。1971年には、名古屋大学から理学博士の学位を授与されました。その後、カリフォルニア大学サンディエゴ校（UCSD）やイェール大学で研究員として活動し、アリゾナ大学では助教授、教授を歴任しました。

1983年、清水信義は慶應義塾大学医学部分子生物学教室の教授に就任し、ヒトゲノム解読の分野で重要な役割を果たしました。1999年12月には、慶應義塾大学の研究チームを率いて、世界で初めて22番染色体のゲノム解読に成功し、207個の遺伝子を発見しました。続いて、2000年5月には21番染色体の解読も完了し、130個の遺伝子を特定しました。

これらの業績は、ゲノム科学における大きな進歩であり、遺伝子医学の発展に大きく貢献しました。清水信義は、この分野における第一人者として、国際的に高い評価を受けました。

2007年に慶應義塾大学医学部分子生物学教室教授を退任し、同大学の名誉教授となると同時に、長浜バイオ大学の特別招聘教授にも就任しました。彼の研究への情熱は、教育の現場でも遺憾なく発揮されました。

清水信義は、2003年には中日文化賞を受賞し、その卓越した業績が広く認められました。彼の研究は、遺伝子の解明を通じて、病気の治療や予防への新たな道を開拓するものであり、医学界に多大な影響を与えました。

清水信義の死去は、科学界にとって大きな損失でしたが、彼の遺した功績は、今後も多くの研究者や学生たちに影響を与え続けるでしょう。彼は、その生涯を通じてゲノム科学と遺伝子医学の発展に尽力し、後世に多大な貢献を果たした、偉大な科学者の一人です。

年譜

1961年：愛知県立横須賀高等学校卒業
1965年：名古屋大学理学部化学科卒業
1970年：名古屋大学大学院理学研究科博士課程満了
1971年3月：名古屋大学より理学博士の学位を取得（学位論文「遺存種における核酸の研究」）
1971年：カリフォルニア大学サンディエゴ校（UCSD）生物学科研究員
1974年：イェール大学生物学科研究員
1977年：アリゾナ大学分子細胞生物学科助教授就任
1980年：アリゾナ大学分子細胞生物学科・遺伝学癌生物学科教授併任
1983年：慶應義塾大学医学部分子生物学教室教授就任
2007年：慶應義塾大学医学部分子生物学教室教授退任
2007年：慶應義塾大学名誉教授、長浜バイオ大学特別招聘教授
2015年6月5日：胆管癌のため死去

受賞歴

2003年：中日文化賞

関連項目

慶應義塾大学の人物一覧
* 名古屋大学の人物一覧

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