清水六兵衛

清水六兵衛の系譜とその業績

清水六兵衛（きよみず ろくべえ）は、江戸時代から続く伝統的な陶器である清水焼の名跡で、代々の陶工たちによってその技術が受け継がれてきました。技術やスタイルの変遷は、各代の陶工の個性や時代背景を反映したものです。ここでは、彼らの業績を見ていきます。

初代 清水六兵衛

江戸時代中期に活躍した初代は、元文3年（1738年）に摂津国の東五百住村で生まれました。幼名は古藤栗太郎で、師匠の海老屋清兵衛から清水焼の技術を学びました。1771年には京都の五条坂で独立して窯を開き、六兵衛と名乗ります。特に、黒楽茶碗の製作に注力し、その美しさから評価を受け、天竜寺の桂洲和尚から印を得ました。彼は、土焼風の抹茶器や置物などを手掛け、その後の清水焼のスタイルに影響を与えました。それ以外にも「愚斎」と称して活動していました。

2代目 清水六兵衛

2代目は初代の子供で、難なくその業を引き継ぎました。1790年に生まれた彼は、文化8年（1811年）に継承され、「静斎」と名乗ります。主に白磁器の製作に取り組み、初代の伝統を守りながら新たなスタイルの陶器を生み出しました。

3代目 清水六兵衛

3代目は2代の次男で、1853年には京都小御所に大雪見灯籠を焼成しました。号は「祥雲」で、特に海外への出品にも力を入れ、多くの賞を受賞しました。また、1868年には古藤六兵衛から清水六兵衛へと名称を改め、家業をさらに広めました。

4代目 清水六兵衛

4代目は3代の長男で、いずれは清水六居とも呼ばれることになりました。韓国国立博物館所蔵の大灯籠など、重要な作品を手掛け、その作品は高く評価されています。号は「祥鱗」で、家族の中でも特に革新を進めた人物です。興味深いことに、現代のパフォーマー山下健二郎は彼の玄孫に当たります。

5代目 清水六兵衛

5代目は1875年に生まれ、特に清水の読みを「きよみず」に変更しました。技術の継承はもちろん、京都らしい感性を反映した作品を続けました。

6代目 清水六兵衛

1901年に生まれた6代目は、清水正太郎の名で知られます。彼は美術教育を受け、特に日本画を学びました。1945年に6代目を襲名してからは、独自のスタイルを確立し、数々の賞に輝く作風で知られるようになりました。
特に1976年の文化功労者顕彰時には、高く評価される業績を成し遂げていました。

7代目 清水六兵衛

7代目は、6代目の長女と結婚し養子となりました。東京芸術大学で鍛えた技術を基に、1967年から1987年までの間、作陶を一時中断し彫刻家としても活躍しましたが、1981年に7代目を襲名してから再び陶器作りに取り組みました。

8代目 清水六兵衛

現代の8代目は1954年生まれで、名は清水柾博です。2000年に襲名し、京都造形芸術大学で教授を務め、伝統を守りつつ新たな表現の工夫を続けています。清水焼は未だにその魅力と技術を保ちながら、未来へと受け継がれていくのです。

以上のように、清水六兵衛家は代々に渡って多彩な作品を生み出し続け、清水焼の重要性とその美しさを広めてきました。彼らの影響を受けた作品は、現在でも多くの人々に愛されています。

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