清水寺 (長崎市)

清水寺について

清水寺（きよみずでら）は、長崎県長崎市の鍛冶屋町に位置する真言宗霊雲寺派に属する寺院です。長崎山と名付けられたこの山の中にあり、本尊には千手観音が祀られています。この寺は、元和9年（1623年）に京都の清水寺からの僧侶である慶順によって創建されました。現在の本堂は1668年に建てられ、唐商人である何高材とその子供たちの寄進によって完成しました。

本堂の特徴

本堂は重要文化財に指定されており、その特徴は江戸時代中期の様式を色濃く残しています。平面構成は方五間で、中央の方三間は床上構造となっており、その周りは一間分の吹き放しの土間が広がります。屋根は入母屋造りで本瓦葺きとなっており、屋根上部には段差が付けられた特徴的な錣葺きのスタイルが採られています。外周は石製の礎盤の上に面取角柱を立て、その周囲には木の板張り部分が取り囲んでいます。

この本堂は、屋外に面した外陣と内陣に分かれていますが、外陣部分には当初の開放的な設計を残しつつも、現在は仮設の建具が導入されています。特に注目すべきは外陣の天井に見られる中国風の黄檗天井です。これは長崎の唐寺にみられる特徴であり、真言宗寺院でありながらも開放的な雰囲気と中国風の意匠を兼ね備えています。内陣には1694年に制作された入母屋造りの厨子が置かれ、信仰の対象である千手観音立像が安置されています。

2005年から2010年にかけて行われた修復工事により、1862年（文久2年）当時の姿へと復元されました。この本堂は長崎県内の密教寺院の中でもっとも古いものであり、その重要性から2010年12月24日に国の重要文化財として指定されました。

文化財

清水寺には、重要文化財として指定されている本堂のほかに、附属物として厨子と「重建清水寺紀縁石碑」があります。この石碑は何高材とその息子たちによって再建を記念して作られたもので、同様に重要文化財に指定されています。また、他にも絹本著色の不動明王三童子像が1990年に指定されており、地域における文化的価値が認められています。

アクセス

清水寺は長崎市の中心部にあり、崇福寺停留場から徒歩約3分の位置にあります。周辺のアクセスも良好で、多くの観光客や信者が訪れます。

まとめ

清水寺は、その独特な建築スタイルと豊かな歴史を背景に、長崎の文化において重要な役割を果たしてきました。江戸時代に思いを馳せながら、静かに参拝するにはぴったりの場所です。目を見張る建物の造りや、心を静める本尊の姿に、訪れる人々は深い感銘を受けることでしょう。

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