清水峠 (讃岐山脈)

清水峠の概要

清水峠、または清水越は、香川県木田郡三木町と徳島県美馬市との間に位置する高地です。この峠は標高325メートルを誇り、猪ノ鼻峠や大坂峠と共に阿讃三大峠の一つとして知られています。峠周辺の道路は塩江街道または曽江谷街道と呼ばれ、国道193号として指定されています。さらに、国道377号が県境の交差点で合流しており、この地域は香川県高松市と徳島県中西部を最短距離で結ぶ重要な交通路となっています。日々多くの車が通行するものの、峠を示す標識はほとんどないため、一見すると秘められた場所という印象を与えます。

峠の最高地点である分水嶺は香川県側にあり、さぬき市の矢筈山を源流とする曽江谷川が徳島側へ流れています。この川が時間をかけて形成した深い谷に沿うように、急傾斜の道が国道193号として通っています。その一方、県境付近から香川県側にかけては香東川沿いの平坦な道路が続いています。これにより、峠を越える際の運転は、地形の変化が味わえる魅力的な体験になります。

清水温泉の存在

峠のすぐそばには、徳島県側に位置する清水温泉があります。この温泉はナトリウム炭酸水素塩を含んだ低張性のアルカリ性冷鉱泉として知られ、健康や美容に効果があるとされています。温泉施設である「清水温泉センター」は2012年に閉鎖されましたが、2016年に高松市のホテル運営会社により土地と施設が買収され、その後、源泉からの湯が幾つかの入浴施設で利用されるようになりました。

古来からの交通路

この峠は、古くから讃岐国と阿波国を結ぶ歴史的な交通路として知られており、徳島県側でサヌカイトの産出が確認されています。徳島藩政時代には出入国の管理を目的とした曽江口番所が設置され、非常に重要な地点であったことが伺えます。江戸時代から昭和初期にかけて、阿讃の他の峠同様に借耕牛の行き来が行われていましたが、この頃は相栗峠が主要な通行路として使用されていました。

明治時代の中頃、阿讃連絡のために新しい道路、阿讃新道の建設が決定しました。その際、相栗峠よりも低い清水峠が選ばれたため、翌様々な改修や新設が行われました。この工事によって高松市と美馬郡の間の主要幹線が完全に清水峠へと移行し、1953年には国道193号に指定されました。

結論

このように、清水峠は地理的な特性や歴史的な背景から、香川県と徳島県の重要な結びつきを象徴する場所となっています。峠に足を運ぶことで、美しい景観とともに、過去の物語に思いを馳せることができるでしょう。

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