清水幹裕

清水幹裕（しみず つねひろ）氏は、1942年にこの世に生を受けた人物です。そのキャリアは多岐にわたり、元アマチュア野球審判員としてグラウンドに立ち続けた一方で、弁護士としても法曹界で活躍しました。

清水氏の経歴は、彼の多様な才能と経験を示しています。愛知県立岡崎北高等学校を卒業後、東京大学に進学。東京大学では硬式野球部に所属し、外野手としてプレーしました。大学での選手経験は、後の審判活動において、プレーヤーの視点を理解する上で貴重な財産となったことでしょう。

東京大学卒業後、清水氏は旧文部省に入省し、国家公務員としてのキャリアをスタートさせました。しかし、その後、法曹界へと転身することを決意し、弁護士資格を取得。弁護士として活動する傍ら、野球への情熱を失うことなく、アマチュア野球の審判員としても活動を開始しました。

審判としての清水氏は、長い期間にわたり、日本の学生野球、特に高いレベルにあるリーグで貢献しました。1966年から2007年までの実に40年以上にわたり、東京六大学野球の公式戦で審判員を務め、多くの歴史的な試合を見守り、公正な判定を下しました。また、高校野球の審判としても活動期間は長く、1980年から2000年までの20年間、全国各地の球場、そして甲子園のグラウンドに立ちました。

高校野球における清水氏の貢献は特に顕著であり、全国レベルの主要大会で重要な役割を担いました。春の選抜高等学校野球大会では、決勝戦の舞台で審判を務めた実績があります。具体的には、1995年の第67回大会決勝（観音寺中央対銚子商）と、1997年の第69回大会決勝（中京大中京対天理）で、緊迫した展開を見守りながら的確なジャッジを行いました。

夏の全国高等学校野球選手権大会においても、その審判としての能力は高く評価されました。特に、第80回記念大会として記憶に残る1998年の夏、清水氏は重要な局面を任されました。この大会の準決勝第2試合、明徳義塾対横浜の熱戦では、球審としてマスクをかぶり、グラウンドの中心で試合を裁きました。そして、その年の決勝戦、横浜対京都成章という注目の対決では、一塁塁審として出場。松坂大輔投手の力投など、高校野球史に残る一戦の傍らで、ランナーのセーフ・アウトを正確に判定しました。

長年にわたる審判活動を通じて、清水氏はアマチュア野球のルール運用や判定技術の向上に貢献しました。選手としての経験、文部省でのキャリア、そして弁護士としての論理的な思考力や判断力が、審判としての質の高いパフォーマンスを支えていたと考えられます。プロ野球経験を持たないアマチュア審判員として、東京六大学や高校野球といったレベルの高い舞台で長きにわたり信頼され続けたことは、その実力と人間性の証と言えるでしょう。弁護士としての活動と両立させながら、情熱を持って野球界に貢献し続けた清水幹裕氏は、アマチュア野球史における重要な人物の一人です。

（この記述は、清水幹裕氏の公開情報に基づいています。関連人物として、西大立目永、郷司裕、山本英一郎といった審判員や、日本高等学校野球連盟、阪神甲子園球場などが挙げられます。）

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