清水晴風

清水晴風の生涯と業績

清水晴風（しみず せいふう、1851年2月10日 - 1913年7月16日）は、明治時代において郷土玩具の研究に尽力した著名な研究者であり、その業績から「おもちゃ博士」と称されています。彼の幼名は半七、通称は仁兵衛であり、彼の人生は日本の玩具文化に多大な影響を与えました。

幼少期と教育

晴風の先祖は、江戸時代の明暦年間に静岡県の駿河から江戸に進出し、運送業を営んでいました。彼は明治時代初期の1873年頃から俳諧を学び、芳華堂晴風との雅号を持つようになります。また、父の友人である竹内田蝶から書画を習い、さらなる教養を深めました。

郷土玩具への興味

1874年頃から、晴風は各地の郷土玩具に興味を持つようになり、特に玩具の研究および収集活動に熱心に取り組みました。1879年には仲間と共に「竹馬の会」を結成し、玩具に関する研究を本格的に始めました。この会には仮名垣魯文や内田魯庵、坪井正五郎などの著名な文学者・芸術家も参加しており、彼らと共に郷土玩具の魅力を広めていきました。

玩具図録『うなゐの友』

晴風の業績の中でも特に注目すべきは、1893年から発刊された玩具図録『うなゐの友』です。この図録は合計10巻にわたり、全国各地の郷土玩具を紹介する貴重な資料となっています。彼の詳細な解説により、当時の玩具のデザインや文化背景が深く掘り下げられました。

さらなる活動

1896年からは三村竹清や林若樹、奥村繁次郎が主催する「集古会」に参加し、さらにその活動の世話人としても尽力しました。彼はこれらの活動を通じて、玩具に関する知識を広げ、他の研究者とも協力しながら日本の玩具文化を深く探求しました。また、1909年には西澤仙湖の「大供会」にも参加し、さまざまな文化活動に参加しました。

晩年と遺言

晴風は1913年の2月に病に倒れ、しばらく後に息を引き取りました。彼は亡くなる前に、自らが収集してきたおもちゃを分配するよう遺言を残しており、これは彼の研究の成果を次世代に継いでもらいたいとの思いからだったことでしょう。彼の辞世として「今の世の玩具博士の晴風も 死ねば子供に帰る故郷」という言葉が残されています。彼の墓は本妙寺にあります。

著書と影響

彼の著書には『神田の伝説』（1913年）や、『街の姿』（1983年）などがあります。特に『神田の伝説』は彼の郷土玩具に対する情熱が色濃く表現されており、日本の玩具文化史において重要な作品とされています。彼の仕事は今でも多くの研究者によって引き継がれ、その影響は続いています。

彼の存在は、ただの研究者に留まらず、郷土玩具に対する理解を深めるための模範的な存在であったと言えるでしょう。清水晴風の業績は、玩具を通じて日本文化を守り、次世代に伝えていくことの重要性を教えてくれます。

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