清水次郎長 (1971年のテレビドラマ)

清水次郎長

『清水次郎長』は、1971年5月から1972年4月までフジテレビ系列で放送された連続テレビ時代劇です。この作品は、東映とタケワキプロダクションの共同制作によるもので、全52回にわたって展開されました。主演は竹脇無が務め、毎週土曜日の20時から56分間放送されました。

物語の概要

物語は、清水の米屋「山本屋」の息子・山本長五郎が、地元の暴力団「鬼瓦一家」との衝突をきっかけに展開する彼の人生を描いています。彼は、侠客として成長する過程で数多くの仲間を得て、ライバルである黒駒勝蔵との競争や数々の試練に挑んでいきます。次郎長は、博徒から侠客へと変貌し、無闇な争いや博打を嫌う誠実な人物として描かれています。

次郎長の成長の中で登場するのは、山岡鉄太郎や高杉晋作など、歴史上の実在の人物たちも含まれており、彼らとの絡みが物語に深みを与えています。シリーズを通じて次郎長は、自身の倫理観のもと子分たちを導き、時には非情な選択を余儀なくされながらも、彼自身の道を貫き通します。

人物相関

主演の竹脇無我が演じる清水次郎長は、母・お直と共に暮らし、侠客の道に足を踏み入れたことで次第に強大な「次郎長一家」を築いていきます。その中で彼の許婚であるお蝶も重要な役割を果たし、次郎長と共に様々な試練に立ち向かいます。また、各話に登場する子分たちや敵対者たちも、それぞれに特徴的な性格や背景を持ち、物語に多彩な色合いを加えています。

敵対するども安や黒駒勝蔵といった人物たちも、ただの悪役ではなく、複雑な人間ドラマを展開させます。特にども安は一大勢力を誇る侠客として登場し、次郎長に対する執拗な嫌がらせを続けるものの、次第に彼自身もコメディリリーフ的な役回りを果たすことになります。

脚本と演出

本作の脚本には、葉村彰子名義の他に、向田邦子や大西信行ら多くの著名な脚本家が参加しています。このような多様な脚本家による作品は、時代劇でありながらもホームドラマ的な要素が絡み、視聴者にとって親しみやすいものでした。また、豪華なキャスト陣が綿密な関係を描き出し、視聴者を惹きつける要素の一つとなっています。

再放送と公演

1980年代半ばには、メガTONネットワークでの再放送が行われ、多くの視聴者に親しまれていました。原案としての「葉村彰子」の名前は今でも有名で、多くのファンを魅了し続けています。

『清水次郎長』は、竹脇無我の名演と巧妙な脚本により、時代劇の中で特に記憶に残る作品となりました。日本のテレビドラマ史において重要な位置を占めるこの作品は、侠客の誇りと人間ドラマが交錯する、深いメッセージを持った作品でしょう。

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