清水精三郎

清水精三郎は、万延元年（1860年）に武蔵国大里郡大幡村（現在の埼玉県熊谷市）で生まれました。四分一啓次郎の次男として生を受け、後に清水賢良の養子となります。

1890年（明治23年）に高等文官試験に合格し、外務省に入省。外交官としてのキャリアをスタートさせました。当初は外務省試補として経験を積み、1894年（明治27年）にはホノルル領事官補として初の海外赴任を経験します。その後、香港領事官補、香港二等領事、バンクーバー二等領事と、アジアや北米の各地で領事としての職務を歴任しました。

1903年（明治36年）にはシカゴ領事に就任。さらに1908年（明治41年）にはオタワ総領事へと昇進し、北米での外交活動に尽力しました。1909年（明治42年）には外務省本省に戻り、外務書記官兼外務大臣官房会計課長として、外交政策の運営を支えました。

1913年（大正2年）にはシドニー総領事として再び海外に赴任。1921年（大正10年）には、駐ペルー特命全権公使という重要な役職に任命され、ペルーとの外交関係の強化に貢献しました。

1925年（大正14年）に外交官を退官。その後も、国際交流の分野で活躍し、1928年（昭和3年）には日豪協会専務理事、1930年（昭和5年）には日加協会理事に就任し、日本とオーストラリア、カナダとの友好関係促進に尽力しました。1934年（昭和9年）には、長年の功績が認められ、勲二等瑞宝章を受章しました。清水精三郎は、昭和9年（1934年）12月5日に生涯を閉じましたが、その功績は、日本の外交史に深く刻まれています。

清水精三郎の生涯は、日本の外交官が国際社会において重要な役割を果たしていたことを示す一例と言えるでしょう。彼の経験は、外交官という職業の多様性と、その国際的な意義を理解する上で貴重な情報を提供してくれます。

参考文献としては、人事興信所編の『人事興信録 第5版』があり、彼のキャリアに関する詳細な情報が記録されています。

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