清江

清江（せいこう、Qing river）は、中華人民共和国の湖北省南西部を流れる河川であり、長江中流の右岸に位置する重要な支流です。古くは夷水、また圤水とも呼ばれていました。

その源流は、湖北省利川市と重慶市の境界に位置する斉岳山の東麓、龍洞溝に端を発します。そこから利川市、恩施市、建始県、長陽トゥチャ族自治県を流れ、長江の南岸に位置する宜都市（旧称：枝城市）の中心部で、南から長江へと合流します。全長は423キロメートルに及び、その長さから「八百里清江」という別名でも親しまれています。流域面積は16,700平方キロメートルです。

清江の流域には、水力発電と治水の目的で三つの大きなダムが建設されています。特に1994年には、長陽トゥチャ族自治県で隔河岩ダムと発電所の建設が始まりました。ダムの下流1キロメートルの地点には、工事のためにアジア最長とされる鉄索橋（鉄の吊り橋）が建設されました。この鉄索橋は全長303メートルで車両の通行も可能でしたが、工事完了後に撤去され、現在は清江大橋がその役割を担っています。

また、清江は美しい景観でも知られており、長陽トゥチャ族自治県内を流れる清江は「清江画廊風景区」として2013年に、恩施市内を流れる清江は「恩施大峡谷風景区」として2015年に、それぞれ中国の5A級観光地に認定されました。これらの地域では、清江の豊かな自然と歴史的な背景を体験することができます。

しかし、清江流域では自然災害も発生しています。2020年7月21日には、恩施トゥチャ族ミャオ族自治州内で清江沿いの斜面が崩落し、大規模な天然ダムが形成されました。この堰き止めによる湛水の影響は、同月17日には上流にあたる恩施市内に及び、冠水による被害が発生しました。

清江は、その豊かな水資源が水力発電に利用され、同時に美しい景観が観光資源として活用されていますが、自然災害への対策も重要な課題となっています。清江流域の持続可能な開発は、地域社会の発展にとって不可欠です。


参考資料

清江_百度百科
Qingjiang Scenery, China News
* China to Build New Hydropower Project on Qingjiang River, People's Daily, January 11 2000

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