清泉崗空軍基地

清泉崗空軍基地：台湾防衛の要

清泉崗空軍基地（Ching Chuan Kang Air Base : CCK）は、台湾中部の台中市に位置する空軍基地です。台湾空軍の第3戦術戦闘航空団の本拠地として、AIDC F-CK-1 経国戦闘機を運用する3個飛行隊が配備されています。また、陸軍の空挺部隊や特殊作戦部隊も利用しており、台湾の防衛において重要な役割を担っています。

歴史

この基地の歴史は、日本統治時代の1936年に公館付近に建設された飛行場に遡ります。現在の形となったのは1954年以降のことで、1990年代後半には最長滑走路が3,700メートルに達しました。冷戦時代には、アメリカ空軍の台湾防衛司令部を支援する重要な施設として使用され、一時的に6,000〜8,000人もの米軍兵士が駐留していました。

主要部隊

清泉崗空軍基地には、以下の部隊が所属しています。

第3戦術戦闘航空団:
戦争研究評価センター
第7戦術戦闘機飛行隊：AIDC F-CK-1 経国戦闘機
第28戦術戦闘機飛行隊：AIDC F-CK-1 経国戦闘機
第3整備補給群
第3基地サービスグループ
第3憲兵隊
空軍防空砲兵司令部:
第795防空ミサイル旅団
第63大隊：MIM-104 パトリオット

米軍との関わり

清泉崗基地は、冷戦時代に米軍にとって非常に重要な拠点でした。1954年には台湾軍事援助グループが駐留を開始し、1958年の金門危機では、アメリカ空軍がロッキードF-104スターファイターを一時的に配備しました。その後も、多くの米軍部隊が頻繁に展開し、基地を運用していました。

1960年代には、戦術偵察飛行隊や戦術戦闘航空団が相次いで配備され、クンクアン基地（当時の名称）はアメリカ空軍の戦術部隊にとって重要な拠点となりました。1960年から1970年代にかけて、嘉手納基地やクラーク基地など、他の米軍基地からの部隊展開が頻繁に行われ、様々な機種の航空機が運用されました。

1960年代の主な米軍の展開は以下の通りです。

1960年: 第67戦術偵察飛行隊、第474戦術戦闘航空団、第18戦術戦闘航空団、第405戦闘航空団などが展開。
1961年: 第18戦術戦闘航空団による偵察部隊や戦闘飛行隊の展開、三沢基地からの偵察機部隊の展開。
1963年: 第510戦術戦闘機中隊、第405戦闘航空団による展開。
1964年: 第15戦術偵察飛行隊による偵察任務。

1965年には、第479戦術戦闘航空団がF-104Cを配備し、1966年には第314兵員輸送航空団がC-130を運用しました。これらの輸送機は、極東地域全体の空輸任務に従事しました。1971年には、第374戦術空輸飛行隊が那覇基地から移駐し、その後もC-130輸送機が運用され続けました。

1968年2月には、ベトナム戦争の激化に伴い、空中給油機KC-135が配備されました。同年3月には、SR-71偵察機が沖縄の嘉手納基地の悪天候のため、清泉崗基地に緊急着陸するという出来事もありました。この時、SR-71は初めて台湾に上陸した長距離戦略偵察機となりました。

1970年代に入ると、米軍の駐留規模は縮小に向かいました。しかし、1972年には第18戦術戦闘航空団がF-4ファントム戦闘機を派遣し、台湾防衛に貢献しました。1973年には、駐留米軍兵士の数は約5,000人にまで減少しました。最終的に、1975年にF-4戦闘機部隊が撤退し、基地は台湾軍の管理下に移管されました。

その後の展開

1977年以降、CCK基地の米軍駐留兵力は大幅に削減され、現在ではごく少数の要員が駐留するのみとなっています。しかし、清泉崗基地は依然として台湾の防衛において重要な役割を担っており、台湾空軍の主力基地として活動を続けています。

清泉崗空軍基地は、その歴史を通じて、台湾の防衛戦略における重要な位置を占めてきました。日本統治時代から現代に至るまで、様々な変遷を経て、現在の姿に至っています。今後も、台湾の安全保障に不可欠な存在として、その役割を果たし続けるでしょう。

もう一度検索