清洲飛行場

清洲飛行場：戦時下の飛行場から現代の風景へ

清洲飛行場は、かつて愛知県の海部郡甚目寺町（現在のあま市）と西春日井郡清洲町（現在の清須市）にまたがる場所に存在した、大日本帝国陸軍の飛行場でした。

歴史

太平洋戦争末期の1944年（昭和19年）10月、戦局が悪化の一途をたどるなか、本土防衛の要として、甚目寺町と清洲町にまたがる約200ヘクタールの農地に建設されました。

正式名称は清洲飛行場でしたが、飛行場の大部分が甚目寺町に位置していたため、地元住民からは「甚目寺飛行場」とも呼ばれていました。飛行場には、全長1500m、幅約60mの滑走路と2本の誘導路が設けられ、本土を襲撃するB29などの迎撃基地としての役割を担いました。

陸軍の飛行第五戦隊が配属され、約60機の戦闘機が配備。連日、防空任務についていました。

終戦後、飛行場は約12年の歳月をかけて元の農地へと開墾されました。しかし、完全に元の姿に戻ったわけではなく、現在もわずかにその跡地が残っています。甚目寺公民館の敷地内には、飛行場から農地への開拓を記念する石碑が建てられています。また、周辺の地形にも、滑走路や誘導路の痕跡を見ることができます。

1972年（昭和47年）には、飛行場跡地に愛知県立五条高等学校が開校。1976年（昭和51年）には、甚目寺町立甚目寺東小学校が開校し、地域の教育を担っています。1988年（昭和63年）には、東名阪自動車道（現在の名古屋第二環状自動車道）が飛行場跡地を横断する形で開通し、交通の要衝としての役割も担うようになりました。

沿革

1944年（昭和19年）3月18日 - 建設を発表
1944年（昭和19年）10月 - 完成
* 1945年（昭和20年）8月15日 - 終戦

清洲飛行場は、戦時中は本土防衛の最前線基地として、戦後は地域の発展に貢献する存在として、その姿を変えながら歴史を刻んできました。飛行場の跡地を訪れることで、平和の尊さを改めて感じることができるでしょう。

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