清浄院 (加藤清正室)

清浄院（せいじょういん / しょうじょういん）

清浄院は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した女性です。天正10年（1582年）に、三河国刈谷城主・水野忠重の娘として誕生しました。幼名は「かな」と伝えられています。後に、徳川家康の養女となり、その縁から慶長4年（1599年）、18歳で加藤清正の継室として迎えられました。

生涯

清浄院は、加藤清正との結婚後、大坂の屋敷に入りました。しかし、慶長5年（1600年）の関ヶ原の戦いを前に、清正の待つ熊本へと脱出。そこで、八十姫（瑤林院）を出産しました。清正の死後も熊本城に留まり、化粧料として1万石を与えられ、幼い2代忠広を支える重要な役割を担いました。

清浄院は、加藤家と徳川家の関係を密接にするために、様々な貢献をしました。忠広の正室として、江戸幕府将軍・徳川秀忠の養女である崇法院（蒲生秀行と家康三女振姫の娘）を迎え入れました。さらに、清正の長女であるあま姫（本浄院）を、徳川譜代の重臣である阿部正次の嫡男・政澄に嫁がせました。また、夫の家康との生前の約束であった、自身の娘である八十姫と徳川頼宣との結婚も実現させました。

加藤氏が改易された後は、清正の菩提寺である京都の本圀寺の門前に移り住み、夫の冥福を祈りながら余生を送りました。明暦2年（1656年）に75歳で死去し、本圀寺の清正廟の隣に埋葬されました。

清浄院の死後、娘の八十姫は深く悲しみ、両親の墓の隣に自身の逆修墓（生前墓）を建てました。さらに、墓前に池を掘り、加藤家の墓地として整備しました。また、両親の戒名を記した父母位牌を作り、日夜供養したと伝えられています。この位牌は、現在、和歌山県の報恩寺に所蔵されています。

清浄院は、加藤清正の妻として、また徳川家との関係を深めた女性として、歴史にその名を刻んでいます。

脚注

加藤家侍帳

参考文献

水野勝之・福田正秀『加藤清正「妻子」の研究』ブイツーソリューション、2007年

外部リンク

* 京都六条本圀寺々中（坊舎・塔頭）

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