清見村立大原小学校

清見村立大原小学校

清見村立大原小学校は岐阜県大野郡清見村大原（現：高山市清見町）にあった教育機関で、2003年にその歴史に幕を下ろしました。この学校の校舎は、現在では「おっぱら自然体験センター」として活用され、地域の自然に親しむ場となっています。小規模な教育環境であった大原小学校は、昭和50年代には生徒数が一桁にまで減少し、その現状はドキュメント映画の題材として取り上げられました。この作品は、過疎化が進む地域における学校の維持の難しさを示す一例として、多くの人々に感銘を与えました。

大原小学校が存在した旧清見村大原地区は、歴史的には江戸時代の国学者、田中大秀によって紹介されました。この集落は、厳しい自然環境に囲まれた「陸の孤島」としての一面を持ち、西ウレ峠と坂本峠に挟まれた場所に位置していました。しかし、1979年に坂本トンネルが開通し、その後は飛騨せせらぎ街道の整備が進むと、道の駅パスカル清見などのリゾート施設が開発されるなど、地域が変貌を遂げました。

学校の沿革

大原小学校は1875年（明治8年）に設立され、当初は「大原小学校」という名称でした。その後、1886年（明治19年）に「大原簡易科小学校」、1894年（明治27年）には「大原尋常小学校」と改名されました。学校は時代とともに成長し、1899年（明治32年）には楢谷分教場が設置され、1930年（昭和5年）には「大原尋常高等小学校」にまで昇格しました。しかし、成長と共に経営が厳しい時期も迎え、1939年（昭和14年）には小原分教場が追加されました。

1941年（昭和16年）には「大原国民学校」と改称され、1947年には「清見村立大原小学校」となりました。基本的な学校制度が確立されるとともに、地域に密着した教育が行われましたが、1950年（昭和25年）には小原分校が廃止され、1970年（昭和45年）には楢谷冬季分校も閉校しました。こうした歴史を経て、2002年（平成14年）にはついに小学校が廃校となりました。

清見村立大原小学校の閉校は、地域にとって大きな出来事でした。過疎化が進むなかで、教育の場が失われていく現実は、多くの住民にとって寂しい出来事だったと言えるでしょう。しかし、その校舎が現在の自然体験センターとして活用されていることは、新たな地域の形を示しており、教育と自然体験が結びつく新しい形の地域交流が生まれることを期待したいです。過去の歴史を振り返りつつ、地域が未来に向かってどのように発展していくのか、その行方に注目が集まります。

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