飛騨せせらぎ街道

飛騨せせらぎ街道

飛騨せせらぎ街道は、岐阜県郡上市八幡町から高山市清見町に至る約64キロメートルの道路の愛称で、飛騨美濃せせらぎ街道とも呼ばれています。この道は、岐阜県の北部、飛騨地域を南北に縦断しており、高山市街地から分水嶺の西ウレ峠を越え、郡上市街地へと続いています。

概要

この街道は、岐阜県道73号高山清見線、国道257号、国道472号、国道256号を繋ぎ合わせて形成されています。起点となるのは国道158号との交差点で、そこから高山市清見町楢谷までは県道73号、楢谷から大原までは国道257号（国道472号重複）、大原から郡上市八幡町島谷までは国道472号、そして島谷から終点までは国道256号（国道472号重複）となっています。かつては、東海北陸自動車道が開通するまで、郡上八幡や岐阜方面から高山市内への主要なアクセスルートとして多くの車が行き交いましたが、現在は交通量が減少傾向にあります。

地形

街道は、全線にわたって飛騨高地の山間部を走り、山林地帯や大小の河川、渓流に沿って伸びています。約700メートルの標高差がある山岳道路であり、河川の本流や支流、時には源流がすぐそばを流れています。西ウレ峠の北側では川上川の沢沿いを、峠から道の駅パスカル清見にかけては馬瀬川沿いを南下し、坂本トンネルで坂本峠を越え、吉田川の沢沿いに郡上市八幡町の市街地へと下ります。ルートの両端は町並みや田畑の中を通過します。急カーブは少なく、西ウレ峠周辺には広葉樹の森が広がっています。特に紅葉の時期には美しく、岐阜を代表する紅葉の名所として知られています。最高地点の西ウレ峠付近では、シラカバやカラマツの林も見られます。

観光スポット

飛騨せせらぎ街道は、飛騨地方に残る江戸時代の面影を今に伝える、小京都とも呼ばれる飛騨高山と郡上八幡という二つの観光地を結ぶ道です。沿道には、大倉滝や道の駅パスカル清見といった見どころがあります。少し足を伸ばせば、めいほうスキー場やアウトドアイン母袋スキー場など、ウィンタースポーツを楽しめる場所もあります。

街道自体が標高差約700mもあるため、紅葉を長い期間楽しめるのが特徴です。秋には、山から麓へと紅葉前線が徐々に降りてくる様子をドライブで楽しむことができ、紅葉狩りのシーズンには沿線が賑わいます。飛騨・美濃紅葉三十三選にも選ばれており、その美しさは格別です。また、西ウレ遊歩道、おおくら滝遊歩道、大原遊歩道など、散策に適した遊歩道も整備されています。

その他

街道沿いには、稗田阿礼生誕の地を示す看板が立てられています。

参考資料

小川秀夫、栗栖国安、田宮徹 著「飛騨せせらぎ街道」、中村純一編 編『ニッポン絶景ロード100』枻出版社〈エイムック〉、2016年4月10日、80-81頁。
須藤英一『新・日本百名道』大泉書店、2013年、107頁。
中村純一編 編「飛騨せせらぎ街道」『日本の絶景道100選』枻出版社〈エイムック〉、2017年4月10日、80-81頁。
中村淳一編 編『日本の絶景ロード100』枻出版社、2018年4月20日。

外部リンク

飛騨せせらぎ街道ドライブマップ 一般社団法人岐阜県観光連盟公式サイト
ひだ清見観光協会ウェブサイト

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