清見村

清見村（きよみむら）

清見村は、かつて岐阜県大野郡に存在していた自治体です。飛騨地方の豊かな自然の中に位置し、2005年（平成17年）2月1日、周辺の1町6村および吉城郡の2町村と共に高山市へ編入されたことにより、その歴史に幕を下ろしました。この合併は、大野郡内では白川村を除くすべての町村を巻き込む大規模なものでした。

地理

清見村は、岐阜県の中北部に位置しており、その地理的な特徴として、多くの自治体と境を接していました。隣接していたのは、高山市、下呂市、飛騨市、郡上市といった市に加え、大野郡の白川村、宮村、荘川村、そして吉城郡の国府町といった町村でした。これらの自治体との関わりは、地域の歴史や文化、経済に影響を与えていました。

歴史

清見村の近代における自治体としての歴史は、明治時代に始まります。具体的には、1889年（明治22年）の町村制施行に伴い、大野郡内の一つの村として成立しました。以来、およそ116年間にわたり独立した自治体として存続しましたが、平成の大合併の流れの中で、2005年（平成17年）2月1日に高山市へ編入されることとなり、自治体としての清見村はその役割を終えました。

行政

村の行政を担った村長としては、松岡法泉氏が長きにわたりその職を務めました。同氏は1981年（昭和56年）11月15日に村長に就任し、村が高山市に編入される2005年（平成17年）2月1日まで、四半世紀近くにわたり村政を率いました。

教育

清見村には、村立の清見中学校と清見小学校が存在し、地域の子どもたちの教育を担っていました。しかし、過疎化や少子化の波は清見村の教育機関にも影響を与え、特に2005年の編入以前には、多くの分校や一部の本校が統廃合や廃校となりました。1950年代から2000年代初頭にかけて、巣野俣中学校、池本中学校、夏厩中学校、大原中学校、福寄中学校、牧ヶ洞中学校といった中学校や、それらの分校、さらに夏厩小学校、大原小学校、牧ヶ洞小学校、福寄小学校、巣野俣小学校、池本小学校といった小学校とその分校が次々とその歴史に幕を下ろしました。これらの学校の廃校は、地域コミュニティの変化を映し出すものでした。

交通

清見村には鉄道路線は通っておらず、鉄道を利用する際は、最寄りのJR東海高山本線高山駅が利用されていました。しかし、道路網は比較的整備されていました。高速道路としては、東海北陸自動車道と中部縦貫自動車道が通り、特に飛騨清見インターチェンジは、当時は東海北陸自動車道の終点として重要な役割を果たしていました。国道158号、国道257号、国道472号といった幹線道路や、岐阜県道73号高山清見線、岐阜県道90号古川清見線、岐阜県道478号舟原荒町線などの県道が地域内を結び、広域的なアクセスを支えていました。

名所・旧跡・観光スポット

清見村の地域には、美しい自然景観や訪れる人々を惹きつけるスポットが点在しています。中でも「飛騨せせらぎ街道」は、清流と緑に沿って走る風光明媚なドライブルートとして知られています。また、旅の休憩や特産品を求めることができる「道の駅ななもり清見」や「道の駅パスカル清見」も多くの人に利用されていました。地域に根ざした信仰の場として、牧ヶ洞神社、三日町の白山神社、夏厩の八幡神社などもあり、地域の歴史や文化を感じさせてくれます。

清見村は現在、高山市清見町として新たな歩みを進めていますが、かつての村が育んできた歴史や文化、そして豊かな自然は、今もこの地に息づいています。

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