渋谷クロスタワー

渋谷クロスタワー

概要

東京都渋谷区に佇む渋谷クロスタワーは、特徴的な白と焦茶色のコントラストが美しい超高層ビルです。このビルは1975年に東邦生命によって建設され、元々「東邦生命ビル」として知られていました。経営破綻を経た1999年に現在の名前に変更されました。年々進化する渋谷の街並みの中で、このビルは長い間地域のシンボルとしての存在を保ってきました。

建設の背景

東邦生命は、1930年に設立され、長年「銀座東邦生命ビル」を本社として運営していましたが、業務の拡大によりこちらのスペースが手狭になってきていました。そこで、新しい本社用地を探し始めたのです。数か所の候補地から、渋谷駅近くの金王町の土地を取得することが決定され、1967年には5,323平方メートルの土地が手に入りました。

新たな本社ビルの構想が練られましたが、出先営業店舗の充実が優先され、新本社の建設は延期されました。しかし、社業の成長に伴い本社機能の分散が進み、新しいビルの建設が急務となりました。最終的に1970年に新本社ビル建設が決定され、1972年に着工が始まりました。

ビルの構造と機能

渋谷クロスタワーは地上32階、地下3階の構造を持ち、1975年3月に完成しました。地下フロアには駐車場、1階には飲食店街と多目的ホール、2階には商店街があり、多くの人々が利用しています。また、3階はメインの玄関ホールとなり、4階以上は主に事務室が配置されています。特に、最上階には展望レストランもあります。

新本社の機能は主に17階以下にあり、上層部は賃貸事務所として貸し出されています。ビルの周辺にはペデストリアンデッキが設けられており、周囲の地域コミュニティとのつながりを大切にした設計がされています。

渋谷の中心地という立地から、多くの人々が出入りし、2000年代初頭までは渋谷エリアのランドマークでした。

名称の変更と所有者

1999年、東邦生命は経営危機に陥り、ビルの信託受益権を米国のゴールドマン・サックスに売却しました。この取引によりビルは「渋谷クロスタワー」と改名されましたが、その後も建物は不動産投信の一部としてさまざまな所有者を経て現在に至ります。

尾崎豊記念碑

ビル内には有名な歌手、尾崎豊の記念碑が設置されています。彼は学生時代にこのビルのテラスで夕日を眺め、自作の歌にインスピレーションを得ていました。そのため多くのファンがここを訪れるようになり、1994年には彼の作品の一部を刻んだ碑が建立されました。

エレベーターの設計

渋谷クロスタワーには、日立製と三菱電機製のエレベーターが設置されています。それぞれの階に対応したエレベーターが配置されており、効率的にビル内を移動できます。特に、17階には乗継階が設けられています。

文化的な影響

このビルは、テレビドラマ『特捜最前線』の舞台としても知られています。劇中では「東京総合ビル」として描かれ、多くの番組でその外観が登場しました。また、過去に入居していた渋谷東急も、ビル内の貸ホールに所有を移して営業を行っていました。

アクセス情報

渋谷クロスタワーは、渋谷駅の東口から徒歩5分という便利な立地にあります。交通の便も良く、観光やビジネスに訪れる多くの人々に利用されています。

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