渋谷ブリッジ

渋谷ブリッジは、東京都渋谷区に位置する複合施設です。この施設は、東京メトロ副都心線との相互直通運転に伴い地下化された東急東横線の旧高架線路跡地、特にカーブしていた部分に建設されました。2018年9月13日から順次オープンし、そのユニークなデザインと多様な機能で注目を集めています。

概要

渋谷ブリッジの建物形状は、かつて東横線が走っていた記憶を未来へと継承することを目指しています。渋谷駅と代官山駅の間を結ぶ緩やかな弧を描く線路の形状を活かし、歩行者が連続的な体験を感じられるように設計されています。この弧を描くデザインは、ホテルの廊下やオフィス空間にも取り入れられ、どこまでも続くような印象的な空間を創出しています。ファサードは、テナントの個性を活かしつつ、訪れる人々とともに風景を形作るようなシンプルで親しみやすい佇まいです。低層部のデザインは、かつての高架橋の歴史と現在の地下鉄のイメージを融合させ、鉄道特有の普遍的なアイコンが随所に施されています。これにより、施設全体が過去と現在をつなぐ場所としての役割を果たしています。

構造

建物の構造は、真下の東横線への影響を考慮し、上載荷重条件（8t/㎡）を超えないように鉄骨造が採用されています。スラブには軽量コンクリートを使用し、建物全体の重量を抑える工夫がされています。また、鉄道通過時の振動を低減するために、地下躯体底盤および側面に緩衝材が設けられています。これらの対策により、鉄道運行への影響を最小限に抑えつつ、安全で快適な施設利用を実現しています。

名称

「渋谷ブリッジ」という名称には、多世代・異文化間の「橋渡し」や、渋谷と代官山という異なる個性を持つエリア間の「橋渡し」をしたいという願いが込められています。この名称は、施設が単なる建物ではなく、地域をつなぐ架け橋としての役割を担うことを象徴しています。

施設

渋谷ブリッジは、A棟とB棟の2つの建物で構成されています。

A棟: 認定こども園「渋谷東しぜんの国こども園 small alley」が入居しています。地域の子育て支援拠点としての役割を果たしています。
B棟: かつては「MUSTARD HOTEL SHIBUYA」や事務所、店舗が入居していました。MUSTARD HOTEL SHIBUYAは、テナント契約満了に伴い2023年9月17日に閉館しました。現在は、新たなテナントが計画されています。

周辺施設との関連性

渋谷ブリッジは、周辺の再開発施設とも密接な関係があります。

渋谷スクランブルスクエア、渋谷ストリーム、国道246号横断デッキ、渋谷リバーストリート: これらは、渋谷の再開発プロジェクトの一環として整備された施設で、渋谷ブリッジと同様に、旧東横線跡地を活用して建設されました。
LOG ROAD DAIKANYAMA: 渋谷ブリッジと同様に、東横線旧高架線路跡地に建設された商業施設です。
* JR横浜鶴屋町ビル、はまレールウォーク、東横フラワー緑道、東横線跡地遊歩道: これらは、東急東横線の線路跡に整備された施設で、渋谷ブリッジとの関連性がうかがえます。

渋谷ブリッジは、過去の鉄道遺産を活かしつつ、現代的なデザインと機能を備えた複合施設として、渋谷の新たなランドマークとなっています。また、地域を結びつける役割も担っており、今後もその発展が期待されます。

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