渋谷・愛の街

渋谷・愛の街について

「渋谷・愛の街」（しぶや あいのまち）は、東京都渋谷区が公式に制定した区歌です。この楽曲は、作詞を保富康午、作曲を都倉俊一が手掛けており、1978年に誕生しました。区歌の制定は、地元に住む人々が心の安らぎを得られ、希望や健康を感じられるような歌を作ることを目的としており、多くの人々に親しまれています。また、この区歌と同時に制定された「渋谷音頭」（しぶやおんど）についても、後ほど詳しく説明します。

制定の背景と経緯

1978年、渋谷区は「区の歌選定委員会」を設立し、区歌の歌詞を一般から広く募集しました。この委員会の委員長には、著名な作曲家である古賀政男が就任しましたが、残念ながら彼は委員会の設立後まもなく逝去してしまいました。古賀氏の後を引き継いだのは、作詞家の奥野椰子夫でした。厳選な審査の結果、応募総数210篇の中から保富康午の歌詞が選ばれました。さらに、佳作として3篇も選定され、その中の一つが「渋谷音頭」に採用されました。

制定された「渋谷・愛の街」と「渋谷音頭」は、1978年11月1日に正式に発表されることとなります。この日は、渋谷区における区歌および区の花（ハナショウブ）や木（ケヤキ）の選定記念イベントの一環として開催された第1回渋谷フェスティバルで披露されました。その際には、記念行事「渋谷愛の歌パレード」も行われ、多くの地域住民が参加しました。

曲の特徴と公共の場での利用

「渋谷・愛の街」は、キングレコードからペギー葉山の歌唱によってシングル盤が制作されています。この曲調は、通常の自治体歌とは異なり、ムード歌謡の要素を持っていることが特徴的です。2015年11月14日にテレビ番組『タモリ倶楽部』で曲が紹介された際、出演者たちは「なんてみだらな区歌なんですか」と語り、そのユニークさについて驚きを示しました。渋谷区では、この歌が成人式や地域の祭りの場で歌われていることを紹介しており、地域文化を代表する一曲となっています。

渋谷音頭の概要

「渋谷音頭」は、区歌の制定と同時に作られた区民音頭であり、応募作品の中から佳作一席として選ばれたものを、補作して完成された楽曲です。作詞は下村八重、補作は奥野椰子夫が担当し、作曲および編曲は渡久地政信が手掛けています。この曲も「渋谷・愛の街」と共にシングル盤に収録され、春日八郎の歌で広く知られています。

「渋谷音頭」には、5番の歌詞に「国鉄」という言葉が登場していますが、1997年の民営化以降も歌詞が改訂されることはありませんでした。これにより、地域の歴史を感じる要素として、今も多くの人々に親しまれています。

まとめ

「渋谷・愛の街」と「渋谷音頭」は、渋谷区の文化的象徴であり、地域の住民にとって心の拠り所となっている楽曲です。これらの曲は、地元のイベントでも盛り上がりを醸し出し、渋谷区のさらなる発展とコミュニティの絆を支えています。

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